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【ヨミ】ジュキュウシカクシャソウギョウシエンジョセイキン 受給資格者創業支援助成金

失業して雇用保険をもらっている期間中に、就職することをやめて起業した場合に、一定の要件を満たせば支給される助成金です。要件は厳しいのですが、独立や起業を考えている人には大きな追い風となるかもしれません。
(2005/8/8掲載)

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受給資格者創業支援助成金のケーススタディ

雇用保険の受給期間中に計画を立てて申請
中小企業基盤人材確保助成金との併給もOK

雇用保険の受給資格者が、その受給期間中に就職せずに自ら創業し、創業後1年以内に継続して雇用する労働者を雇い入れ、雇用保険の適用事業主になった場合に受給できるのが受給資格者創業支援助成金です。つまり、失業して雇用保険をもらっている期間中に独立や起業した場合に、一定の要件を満たせば支給される助成金というわけです。

この助成金の対象となる費用は、起業のための計画を作成するために要した経営コンサルタントなどの相談費用、実際に興すことになる事業に必要な知識や技能を習得するためにかかった費用、会社の設立登記などにかかった費用(登録免許税、印紙税は対象外)、事務所などの入居や改装にかかった費用、設備投資や営業権の取得費などで、第1回目の支給申請時までに支払われたものに限られます。支給額は、これらの費用の3分の1相当額で、上限200万円と定められています。

この制度を利用するためには、前の会社を退職する日までに雇用保険に5年以上加入している必要があります。通算で5年以上なので、複数の会社にまたがっていても差し支えありません。また、会社の設立登記の前日において、雇用保険の支給残日数が1日以上あることが条件で、失業保険をもらいきってしまえば失効してしまいます。

さらに、雇用保険の受給資格者が自ら出資して、設立する会社の代表者になること、そして、前述のように創業後1年以内に常雇いの従業員を雇用しなければなりません。

受給資格者創業支援助成金の申請に当たっては、もう一つの大きな壁が立ちはだかっています。それは、会社の設立登記の前日までに「法人等設立事前届」を提出する必要があることで、登記が済んでしまってからでは助成金を受給する資格がなくなるのです。「みなさん、会社をつくってから申請するものだと思い込んで、それで失敗しているんです」と、有限会社人事・労務の畑中義雄・チーフ人事コンサルタントは指摘します。

「以前は離職と同時に離職票と法人設立事前届の両方を持って行けば、『創業受給資格者』と認められるケースがあったのですが(制度の普及ということもあったようです)、今は文字通り、すでに受給資格者としての認定を受けている者しかこの助成金の対象になりませんので注意が必要です」(畑中さん)

何とも厳しい要件に見えますが、起業する意志を秘めながら退職する人の多くが、雇用保険の受給期間中にじっくり計画を立てようと考えているのが実情だとすると、あとは届け出のタイミングさえ間違わなければいいだけとも言えます。

そして、この制度には「ふつう、助成金は併給できませんが、受給資格者創業支援助成金は中小企業基盤人材確保助成金と併給ができる」(畑中さん)という、あまり知られていないメリットがあります。

雇用保険の受給期間中に起業のための計画を立て、仲間を募ってスタート時から一定規模の会社を興そうと考えているような人にとっては、この併給は最高の自立支援になるかもしれません。

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助成金
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高年齢者等共同就業機会創出助成金
45歳以上の高齢者が3人以上集まって会社を設立し、雇用保険に加入したうえで同じような年齢の人たちに雇用機会を提供すると、会社の成立にかかった費用や設備投資の3分の2が支給される制度です。
中小企業基盤人材確保助成金
新しく会社を起こしたり、異業種へ進出したりした事業主に対して、その事業の核となる従業員および一般の従業員を雇用した場合に支給される助成金です。ハードルは高いけれども支給金額も大きい助成金なので、起業家には見逃せない制度と言えます。

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