休み方改革
休み方改革とは?
「休み方改革」とは、休暇が一時期に集中するのを見直し、企業に有給休暇の取得を促すなど、官民一体で働く人が休みやすい環境をつくる取り組みのことです。政府は2017年6月に、「休み方改革官民総合推進会議」(仮称)の新説を発表。長時間労働を是正する働き方改革と一体の国民運動と位置づけ、その成果として生まれた休暇の有効活用などについても提案するとしています。「休み方改革」は、ワーク・ライフ・バランスの推進や生産性向上、地域活性化などの観点から日本人の休み方を見直すのが目的。具体的には、学校の休暇分散による大型連休増加と企業への有給休暇取得の働きかけをセットで行い、家族で充実した休日を過ごせる環境づくりに取り組む方針です。
キッズウィークは“休暇後進国”を変えるか?
人材確保へ、官民一体で取り組む有休取得促進
今年のお盆休みも、人気の観光地やレジャースポットは大混雑。各地の高速道路には長い渋滞ができました。制度上は休める環境にありながら、日本人はなぜもっと多く、もっと上手に休みを取ることができないのか。せっかく取った休みを、どうすればもっと有効に活かせるのか。年次有給休暇取得率は48.7%(厚生労働省2016年「就労条件総合調査」)と、依然として世界最低の水準にとどまっています。こうした“休暇後進国”の現状を変えようと、政府が「休み方改革」の旗を振り始めました。
改革の目玉施策に挙がっているのが、来年度から導入予定の「キッズウィーク」です。学校の休暇を地域ごとに分散させて新たな連休をつくるというもので、具体的には全国の小中高校を対象に、夏季休暇の開始を遅らせたり、終了を早めたりして、別の時期にまとめて休むことが検討されています。たとえば、夏休み中の平日5日間を別の週に移せば、前後の土日と合わせて9連休をとることが可能になるわけです。新しく連休をつくる時期については、都道府県など地域によってずらすことを想定し、日程などを調整。法的な措置は必要なく、公立校は義務化を目指し、私立校には協力を求める方針です。
「休み方改革」では、このキッズウィークにあわせて、親や家族が休みをとれるように、企業にも協力が求められます。政府は、企業の有休取得促進のために、2018年度の有休日数を17年度比で3日増やす目標を設定、有休を増やす企業への助成を18年度予算案の概算要求に盛り込むことも検討しています。
企業の側にも、呼応する動きが見られるようになってきました。セブン&アイ・ホールディングスでは今年から主要8社の約2万5千人を対象に、部署ごとに有給休暇を一斉に取得するしくみを導入。引っ越し大手のアートコーポレーションでも、業務を休止して全社員が休む「定休日」を年30日程度設けるという、同業界大手では初めての試みを8月から実施しています。両社とも業務の都合上、休みがとりにくく、全産業平均より大幅に低い有休消化率の改善が課題でした。人手不足が深刻化するなか、各社の「休み方改革」の取り組みが優秀な人材の確保や離職率低下につながるか、今後の動向が注目されます。
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