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【ヨミ】タクエツケンキュウイン 卓越研究員

「卓越研究員」とは、成長戦略「『日本再興戦略』改訂2015」(15年6月閣議決定)で打ち出され、文部科学省が16年度から導入している若手研究人材育成制度のことです。同制度は、国が優秀な若手研究者の安定雇用を確保し、挑戦的な研究に専念できる環境の整備を支援することを目的としています。博士号を持つ17年4月1日時点で40歳未満の研究者を対象に、中立な公的機関の評価をもとに、同省が毎年度100~200名程度を「卓越研究員」として認定し、大学や研究開発法人、企業など卓越研究員の受け入れポストを提示した各種機関への就職につなぐ仕組みです。導入前の時点で、受け入れ表明が想定を超える約300件に上るなど、優れた研究人材を確保したい大学や企業からの注目度も高まっています。
(2016/4/11掲載)

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卓越研究員のケーススタディ

国が認めた若手研究者を企業で受け入れ
トヨタは1500万円近い年収で終身雇用

近年、大学では終身雇用のポストが減り、代わって任期付きの教員や博士研究員(ポスドク)が増えています。不安定な雇用が、新たな研究領域に自由に挑戦し、独創的な成果を出せるような環境から、優秀な若手研究人材を遠ざけているのです。わが国の科学技術・学術研究の持続的発展が不安視されているのもうなずけます。また、産学官のセクター間を越えた研究者の流動性が低く、人材を介した知の移転が促されていないために、世界規模での急速な産業構造の変化に対しても、後手を強いられています。

こうした課題感を背景として、有望な若手研究者が安定かつ自立してチャレンジングな研究に専念できるような環境を実現するために、また、全国の産学官の研究機関をフィールドとして活躍する若手研究者の新たなキャリアパスを開拓するために、文科省は今年度から「卓越研究員」制度を導入しました。若手研究者に国のお墨付きを与え、雇用不安を改善することで、独創的な研究を後押しする仕組みといっていいでしょう。

卓越研究員の認定にあたっては、まず同省が、卓越研究員の受け入れを希望する大学や研究開発法人、民間企業などからポストを募集し、各機関が提示したポストのうち要件を満たすものを公開します。これを受けて、若手研究者は希望のポストを複数、国に申請。書類審査や面談などを経て卓越研究員に認定され、その後、最終的な受け入れ機関が決定するという流れです。終身雇用が原則で、年俸は受け入れ機関が負担。一方で、同省から2年を上限に一人当たりの研究費が年間600万円まで、5年を上限に実験装置などの研究環境整備費が支給されます。

若手が活躍できる場を整備したい国のねらいに、産業界も応え始めています。文科省によると、卓越研究員の受け入れを表明したのは国立大58校、企業23社など計92機関。各機関が提示したポストは同省の選抜予定数を超える317件にのぼり、うち3割の96件を企業が占めました。日立製作所ではロボット技術などの研究職を、アステラス製薬は再生医療を担う主任研究員を募集。自動運転技術やロボットの分野で米国勤務の若干名を受け入れるトヨタ自動車は、年間130万ドル(約1450万円)の基本給という破格の条件まで提示し、話題を呼んでいます。

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