企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】ロイヤルティ ロイヤルティ

「ロイヤルティ」(Loyalty)とは、英語で忠誠、忠義、忠実、誠実、愛情、愛着などの意味。もともとは国家や主君への忠誠心、忠実さなどに由来する言葉で、ビジネスの分野、とくに組織・人事領域で使われる場合は、従業員の自社に対する愛社精神、忠誠心、帰属意識、組織コミットメント(関与)などの概念やその度合いの強さを指します。ちなみに、外来語としての発音や表記は同じ「ロイヤルティ」で意味が異なる言葉に、“Royalty”(語頭の綴りがLではなくR)があります。混同しやすいのですが、こちらは知的所有権などの使用料や許諾料などを著す別の英単語です。
(2015/7/31掲載)

ロイヤルティのケーススタディ

奉社精神と愛社精神は似て非なるもの
成長できる環境がリテンションのカギに

日本企業は伝統的に、社員の「ロイヤルティ」――愛社精神や組織への忠誠心の高さを強みとした、独自のチームワークによる競争力を誇ってきました。かつての通信・半導体大手、米モトローラ社を率いたロバート・ガルビンは、1980年代の日米半導体摩擦における対日批判の急先鋒として知られますが、一方で、日本から多くを学んだ経営者でもあり、自著で「アメリカの流動性の高さを一時の気の迷いで称賛してはならないと思う。組織への忠誠心や律儀さは日本の欠点ではなく、長所なのだ」と喝破しています。

従来の日本企業におけるロイヤルティが、日本型経営の特徴である終身雇用、年功制、手厚い福利厚生といったしくみに支えられてきたことは、疑いを容れません。その多くが失われたいま、支えるしくみもなしに、旧態依然とした会社への忠誠心を従業員に持たせようとすることは、盲従や滅私奉公がはびこり閉鎖的な組織を作り出します。近年、ロイヤルティが持てない人やロイヤルティそのものに違和感、抵抗感を感じる人が増えてきたのも、そのためでしょう。

しかし一方で、人材不足が深刻化するなか、A&R(アトラクション・アンド・リテンション)の観点からも、従業員のロイヤルティの再生は重要な経営課題として浮上しつつあります。原則論として、愛社精神や組織と仕事への忠誠心が強い人ほど、会社を辞めるリスクは少ないからです。

今後、求められるロイヤルティとはどうあるべきなのでしょうか。リクルートワークス研究所主幹研究員の豊田義博氏は著書『戦略的「愛社精神」のススメ』のなかで、一般に言われる日本人の「愛社精神」には三種類あると述べています。一つ目が、バブル以前の終身雇用制度や年功序列の家族主義のもとで培われた「奉社精神」。会社が人生や生活の面倒を見てくれるから、お返しに奉公しなければという思いです。二つ目は、一流企業の名前やブランドに惹かれる「恋社精神」。恋愛と同じで長続きしにくく、入社して現実を知ると、冷めてしまうことが少なくありません。そして三つ目が、本当の意味での「愛社精神」です。自分が仕事で成長できたのは会社がその機会を用意してくれたからであり、会社での経験なくしていまの自分はなかった――そうした自分自身の成長に対する感謝の気持ちこそが愛社精神の源泉だと、豊田氏は述べています。能力を最大限に発揮できる環境が用意され、社員がベストを尽くしてそれに応えようとするところに、真のロイヤルティが生まれるのかもしれません。

記事のオススメ、コメント投稿は会員登録が必要です

あわせて読みたい

組織社会化
組織研究において、新しく組織に加わったメンバーが、組織の目標を達成するために求められる役割や知識、規範、価値観などを獲得して、組織に適応していくプロセスのことを「組織社会化」といいます。個人が組織に参入するときは、必ずこの組織社会化の過程を通過しなければならないと考えられています。 (2012/5...
組織市民行動
「組織市民行動」とは、企業や団体の従業員が自分の職務の範囲外の仕事をする「役割外行動」の一種で、英語ではOCB(Organizational Citizenship Behavior)と呼ばれます。 この概念を提唱した米・インディアナ大学のデニス・オーガン教授らによると、組織市民行動は「従業員の行動...
組織再社会化
組織研究において、組織に新しく参入した個人がその成員となるために、組織の価値観や規範を受け入れ、職務遂行に必要な技能を獲得し、組織の人間関係に適応していく過程を組織社会化といいます。これに対し「組織再社会化」とは、すでにある組織の一員として組織社会化され仕事を行ってきた人が、転職などの組織間移動に...

関連する記事

1. モチベーション研修・組織活性化研修とは
「モチベーション」は一般的に、「やる気」や「動機づけ」と訳される。モチベーションが個人のアウトプットや生産性に大きく影響するが、個人の集まりである組織でも同様だ。では、一人ひとりのモチベーションを高め、組織を活性化させていくためには、どうすればいいのか。その考...
2013/01/09掲載よくわかる講座
人事マネジメント「解体新書」第38回 学習する組織“ラーニング・オーガニゼーション”を実現する方法(前編) ~自ら学ぶ風土を作り、持続的成長を実現していくために
企業を取り巻く経営環境の急激な変化は、ビジネスサイクルを短縮化し、知識・技術の更新スピードを速めるなど、組織に対して絶え間ない「変革」を求めている。この変革を実現するには、組織として継続的に学習を続け、改善を繰り返していくことが必要だ。これが近年、「学習する組...
2010/06/28掲載人事マネジメント解体新書
これからのビジネスに欠かせない「経済知力」とは?
変化のスピードが速い現代において、過去の“経験則”だけでは通用しないのがビジネスの難しいところ。そのため、数多い知識・情報の中から、本当に有用なコンテンツを見極め、活用していく能力が必要になる。
2009/05/28掲載注目の記事

関連するキーワード

分類:[ 人事制度 ]

注目のキーワード解説をメールマガジンでお届け。

「よくわかる人事労務の法改正」ガイドブック無料ダウンロード

50音・英数字で用語を探す

注目コンテンツ

【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


新たな福利厚生施策 ~社員の満足度を高める「会員制リゾートホテル」活用法とは?

新たな福利厚生施策 ~社員の満足度を高める「会員制リゾートホテル」活用法とは?

現在、福利厚生施策の中で、社員同士や家族連れで自由かつ気楽に利用できる...