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【ヨミ】デモドリシャイン 出戻り社員

「出戻り社員」とは、一度自主退職して他社で働いたり、独立したりした人が元の会社に再雇用されること、またはその社員を指す言葉で、「ブーメラン社員」とも言われます。日本の伝統的な就業観から、かつては戻る側にも受け入れる側にも抵抗がありましたが、転職が一般化したことや深刻な採用難から、最近では出戻り社員を認めるケースが増えているといわれます。他社を経験したことでスキル向上や自社への愛着の深まりが見込めるとして、出戻り社員の受け入れを制度化するなど、むしろ積極的に歓迎する企業も現れています。
(2015/4/22掲載)

出戻り社員のケーススタディ

7割超の企業に出戻りの受け入れ実績あり
処遇に悩むも、即戦力や挫折体験に期待

かつて日本の職場の多くは、新卒一括採用・年功制・終身雇用といった日本的雇用システムのもと、一つの“ムラ”社会として結束していました。そのムラを出て=退職して、他社へ移る人は基本的に“裏切り者”と見なされ、再びムラに迎え入れられることなど、ありえませんでした。しかし最近では「出戻り社員」を認める企業が増えています。

人材サービス会社のエン・ジャパンが企業の中途採用担当者を対象に実施した「出戻り社員(再雇用)」の実態に関するアンケート調査の結果によると、「一度退職した社員を出戻りで再雇用したことがある」と回答した企業は、全体の実に72%に達しました。出戻り社員を採用した理由(複数回答)としては、「即戦力を求めていたから」の回答が39%、「人となりがすでにわかっているため安心だから」が38%と上位を占めました。再雇用後の配属について「退職前と同職種に配属」との回答が85%という結果からも、自社や仕事への理解がある即戦力として主に迎えられていることがうかがえます。また採用難から、採用コストを抑えられ、研修等が不要であることを採用理由に挙げる企業もあり、ミスマッチの少ない効率的な採用にもつながっているようです。

出戻りを受け入れる側の職場の反応はというと、「とても良い」が13%、「まあまあ良い」が57%と、7割は好感触だったと答えています。再雇用して良かった点としては、他社を経験したことで「向上したスキルを持ち帰ってきた」「自社の良さを改めて認識し恩義を感じている」といった回答が寄せられ、既存社員にもいい刺激になっていることがうかがえる一方、課題点として「再雇用時のポジション・給与面の処遇に悩む」といった指摘もありました。いくら過去の実績や貢献度が高くても、既存社員とのバランスに考慮しないと不平不満が出やすいもの。その点が出戻りの成否を分けるカギになるようです。

このアンケートでは、出戻り社員の受け入れを制度化している企業は9%と、まだまだ少数派でしたが、導入例は着実に増えています。ソフトウェア開発のサイボウズでは2012年から、35歳以下の社員を対象に、退職して最長6年経っても復帰できる「育自分休暇制度」を導入しています。退職して戻ってくるまでの期間を、社員が「自分を育てるための“休暇”」と捉える同制度。戻ってきた社員には、社長を前に退職期間中の成長をアピールしてもらい、その成果を見て、復帰後の待遇やポジションを決める仕組みです。デジタルコンテンツを中心としたサービスを展開するミツエーリンクスでも、同社に3年以上勤務し、離職後、他社で1年以上働いた経験を持つ元社員の復職を受け入れる「ブーメラン制度」を実施。再雇用の際は、勤務当時の給与が保証されるだけでなく、キャリア部分の上乗せもあるといいます。また、NTT西日本では、ITベンチャーなどの起業を目指して退職したものの挫折した元社員の復職を受け入れる新しい採用制度を、今春から導入しました。退職後5年程度を経過した元社員が対象で、起業で苦労した貴重な経験を新規事業の育成に活かしてもらうことが狙いだといいます。人材確保の観点から、こうした制度の導入が拡大すれば、いずれは欧米のように出戻りが一般化する可能性も大いにあるでしょう。

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