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【ヨミ】アファーマティブ アクション アファーマティブ・アクション

「アファーマティブ・アクション」(affirmative action)とは、差別を積極的に是正・改善する取り組みのことで、差別是正措置、積極的改善措置などと訳されます。社会的・構造的な差別によって不利益を被っている集団(女性や人種的マイノリティー、障がい者など)に対し、一定の受け入れ枠や目標を定めて優先的に機会を提供しようとするなど、実質的な機会均等を確保するために講じる優遇策で、あくまでも差別が解消されるまでの暫定的な特別措置です。日本においては、過去の雇用慣行などから男女労働者間に生じている処遇格差を積極的に是正するための、女性活躍推進の取り組みとして行われることが多く、そうした優遇措置は一般に「ポジティブ・アクション」と呼ばれます。アファーマティブ・アクションとポジティブ・アクションは同義と考えて差し支えありません。
(2014/10/21掲載)

アファーマティブ・アクションのケーススタディ

事実上生じている男女間格差の是正措置
職種における女性比率4割以下が適用条件

男女雇用機会均等法では、労働者に対し性別を理由として差別的取り扱いをすることを原則禁止していますが、第8条に、特例として女性の優遇を認める場合があると明記しています。事業主が、職場に事実上生じている男女間格差を是正して、均等な機会・待遇を実質的に確保する目的で、女性のみを対象にした措置や女性を有利に取り扱う措置を行うことは、法違反にあたりません。これが日本における男女格差是正のための「アファーマティブ・アクション」、いわゆるポジティブ・アクション推進の法的根拠です。

例えば、採用時の募集広告などに「女性歓迎」の表現を用いることは、均等法で原則禁じられていますが、アファーマティブ・アクション/ポジティブ・アクションとしての取り組みであれば、女性を歓迎する旨の表記が認められます。しかしこうした措置は、個々の職場において、固定的な役割分担意識や過去の経緯から男女間に格差が生じている実態があることが前提で、その積極的な是正を目的とするものでなければなりません。

アファーマティブ・アクション/ポジティブ・アクションの前提となる「事実上生じている男女間格差」とは、例えば男女を総合職で採用しながら、営業職に女性を配置していなかったなどのケースが挙げられ、具体的には、一定の雇用区分や職務、役職において女性労働者の割合が全労働者の4割を下回っている場合、格差が存在していると判断されます。先述の募集広告の例でいうと、アファーマティブ・アクション/ポジティブ・アクションが適用されるのは、募集する職種において、女性社員の比率が4割を下回っていることが条件になるというわけです。

男女格差を是正・改善するアファーマティブ・アクション/ポジティブ・アクションの進め方の具体例としては、ノルウェーなど北欧の国々で採用されているクォータ制(議員などのうち一定比率の人数を女性に割り当てる方法)や、ゴールアンドタイムテーブル制(○年までに女性の割合を△パーセントまで増やすなどの数値目標を設定する方法)などがあり、日本でも近年、政府部門や民間企業の女性登用にこうした方式を導入することが検討されています。ただし、アファーマティブ・アクション/ポジティブ・アクションはあくまで暫定的な特別措置。女性の活躍は、数値目標や枠を設定するだけで促されるものではなく、その下支えとして、働き方や評価をめぐる職場環境・風土の改革が求められることは言うまでもありません。

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