企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】マイナンバーセイド マイナンバー制度

「マイナンバー制度」とは、2016年1月から運用が始まる「社会保障・税番号制度」の通称。日本国民と日本に居住する外国人一人ひとりに対して、重複しない固有の識別番号(マイナンバー)を割り振り、社会保障や納税などに関する個人情報を一元管理するしくみのことです。国民の利便性を高めると同時に、行政の透明化・効率化を図るための社会基盤として、従来、国や市町村などがバラバラに管理してきた個人情報を連携させ、相互利用を可能にします。民間企業でも、社会保障・税務関連の諸手続きにマイナンバーを利用するため、システム変更および厳格な情報管理体制の構築が必須に。制度開始までに確実な対応が求められています。
(2014/8/8掲載)
 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

マイナンバー制度のケーススタディ

影響は大きいが企業の準備は遅れ気味
情報漏えいには最高懲役4年の刑事罰も

国民全員に新しく割り振る番号によって、所得や納税実績、社会保障に関する個人情報を一括管理する「マイナンバー制度」のスタートまで、残り1年半を切りました。13年5月24日の通常国会で「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」をはじめとする関連4法案(以下、マイナンバー法)が成立し、制度導入が正式に決定。運用開始は16年1月からですが、15年10月には個人へのマイナンバー通知が開始され、「通知カード」と呼ばれるカードが各自治体から住民票を持つ全住民へ郵送されます。

マイナンバーは、個人所得が発生するところすべてに関係するもの。各企業の人事総務部門でも、導入スケジュールに合わせて、パートやアルバイトを含む全従業員とその扶養家族のマイナンバーをとりまとめ、適切に管理できる体制を整備しなければいけません。給与所得の源泉徴収票や社会保険の被保険者資格取得届などの書類にこれを記載し、関係する行政機関などに提出する必要があるためです。

事業者は従業員個人のマイナンバーを収集するために、全従業員からの、従業員とその扶養家族の番号の申告を受け付けることになります。番号の確認だけでなく、なりすましなどを防ぐための本人確認の徹底も必須ですから、パートやアルバイトなどの雇用形態が多い業種や、社外の個人などに原稿料や謝礼を支払うことが多い企業では、対応が煩雑になり、準備やシステム改修にかかる人的・コスト的な負担増は否めないでしょう。

とはいえ、管理をおろそかにすると、情報漏えいのリスクを抱えることに。マイナンバー法は、個人情報保護の観点から、マイナンバーの取得・管理にさまざまな制約を課すとともに、情報漏えいに対しては刑事罰を含む重い罰則規定を設けています。例えばマイナンバーを扱う事務に従事する者が、特定個人情報ファイル(マイナンバーを含む個人情報をリスト形式にしたもの)を漏えいした場合、最高で懲役4年と従来の個人情報保護法以上に厳しい罰則が適用され、違反の当事者だけでなく、事業者も罰せられる恐れがあります。

このように大きな影響が想定されていながら、対応の必要性や危機感をまだ十分に認識していない、あるいは認識はしていても、具体的な準備が遅れているという企業は少なくありません。マイナンバー制度の導入は、中・長期的に見れば、各種事務処理の効率化・省力化を飛躍的に進め、人事総務部門の負担軽減にもつながると期待されています。その有益性を最大化するためにも、制度導入に伴う業務への影響をもれなく洗い出し、万全の対策を講じることが求められます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

あわせて読みたい

個人情報保護法
現代社会において情報は重要な資源です。情報を得ることでさまざまなビジネスチャンスにつながるため、多くの企業が個人情報の獲得を目指しています。そのなかで、個人情報の漏えいなど情報管理に関する問題を頻繁に耳にするようになりました。企業としても、個人情報が外部に流出すると多大な損害を被る可能性があります。...
勤怠管理
メンタルヘルスの不調や過労死、残業代の未払い問題など、昨今、企業と社員の間で労働環境を巡って多くのトラブルが発生しています。そこで、重要性が再認識されるようになったのが「勤怠管理」です。働き方改革関連法の施行による影響など、勤怠管理について企業が理解しておかなければならないことは増えています。ここで...
ATS
「ATS」とは、Applicant Tracking Systemの略で、日本語では「採用管理システム」「採用支援システム」と訳されます。応募者受付から採用決定までにかかる人事担当者の業務を一つのシステム上で一元管理し、適時・適切な採用活動を進めるための機能を実装したシステムの総称です。応募者データ...

関連する記事

7割の企業は「マイナンバー制度」に向けた準備ができていない ~2016年1月スタート「マイナンバー制度」に関する企業の対応状況を調査~
2016年1月から、日本国民と日本に居住する外国人一人ひとりに対して番号を割り振り、所得や納税実績、社会保障に関する個人情報を一括管理する「マイナンバー制度」がスタートします。国民の利便性を高めると同時に、行政の透明化・効率化を図るための社会基盤として、国や市...
2014/11/07掲載編集部注目レポート
管理職が置かれた「現状」
経営課題を現場レベルで状況判断し、対応できる管理職が求められている。しかし、実際の管理職の現状はどうだろうか。アンケートをもとに考察し、管理職・マネージャのおかれている課題を整理する。
2016/06/10掲載よくわかる講座
マイナンバー運用開始元年!クローズアップされにくいリスクに、企業はどう対応すればいいのか~行政の動向を見越した、企業の最適な選択とは?~
2015年10月から配布が始まったマイナンバー(個人番号)。これまでの「個人情報」の取り扱いと一線を画すのは、マイナンバーの取り扱いに厳重な規制と罰則が科せられることです。来年1月の法施行に向けて、今後企業には、従業員からの問い合わせや関係機関からの指摘などに...
2015/10/30掲載注目の記事

関連するQ&A

危機管理(リスク管理)
危機管理が叫ばれていますが、人事部としてどこにポイントをおいて、人事部全体の危機管理をしていけば教えてください。
外国人就労者の管理について
いつも勉強させていただいております。 本日は、外国人就労者の管理について、質問いたします。 弊社はアジア系外国人を雇用しておりますが、 これまでビザの管理等の管理を行っておりませんでした。 この度遅まきながら管理をするにあたり、 どんな管理を行うべきか悩んでおります。 何かアドバイスをいただけ...
個人情報保護方針
人事管理における個人情報保護の観点からの管理体制や仕組みはどのようにすればいいでしょうか?
新たに相談する
相談する(無料)

「人事のQ&A」で相談するには、『日本の人事部』会員への登録が必要です。

新規登録する(無料) 『日本の人事部』会員の方はこちら
業務に関するちょっとした疑問から重要な人事戦略まで、
お気軽にご相談ください。
各分野のプロフェッショナルが親切・丁寧にお答えします。
次世代リーダー育成特集

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

POSITIVE最新版にAI搭載 3,650社が活用!業界唯一の統合型eラーニング

50音・英数字で用語を探す

新着用語 一覧

注目コンテンツ


次世代リーダー育成特集

さまざまな取り組み方がある「リーダーシップ育成」について手法や外部ソリューションをご紹介します。
コンテンツトップバナー


【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


戦略人事の基盤となる「人事給与システム」<br />
導入を成功させるためのポイントとは?

戦略人事の基盤となる「人事給与システム」
導入を成功させるためのポイントとは?

給与計算業務や社会保険手続きなどの労務管理から、採用・異動・評価といっ...