【ヨミ】ポジティブ フィードバック ポジティブ・フィードバック

人材育成や組織マネジメントにおける「ポジティブ・フィードバック」とは、リーダーやマネジャーがメンバーの仕事ぶりに対する評価をフィードバックする際の手法の一つで、被評価者の問題点よりもポジティブな面に注目し、望ましい行動や成長した部分を認めて伝えることによって動機付けを図ることをいいます。
(2012/9/24掲載)

ポジティブ・フィードバックのケーススタディ

手放しで誉めるのではなく具体的なコメントを
「良い点→悪い点」が前向きな姿勢を引き出す

フィードバックというと、一般的には相手の行動を“正す”指導の仕組みであると考えられています。つまり何らかの問題行動によってもたらされた、望ましくない結果や組織への悪影響をくり返さないために、その問題点を指摘したり、失敗の原因や不足している部分に本人の意識を向けさせたりして自覚と反省を促すわけですが、ネガティブな要素に焦点を当てるところから、正確にはこれを「ネガティブ・フィードバック」と呼んで区別します。一方、相手の行動の良い点をとりあげて誉めるのが「ポジティブ・フィードバック」です。多くの人が“フィードバック=ネガティブ・フィードバック”とイメージするのは、裏を返すとそれだけポジティブ・フィードバックが広まっていない、実践されていないということかもしれません。

神戸大学大学院経営学研究科の松尾睦教授は、著書『職場が生きる人が育つ 「経験学習」入門』で、育て上手の指導者の特徴の一つにポジティブ・フィードバックの活用を挙げています。単に“手放しで誉める”のではなく、そうすることで相手に自信を与え、問題点の改善に前向きに取り組む姿勢を促すことができるからです。松尾教授によると、次の三点がポジティブ・フィードバックの具体的なポイントになります。

(1) 成功失敗にかかわらず、まずは労をねぎらう
たとえ大きなミスがあっても、働きぶりや仕事内容のすべてが批判されるべきではありません。その人なりに努力したことをまずはねぎらい、「お疲れ様」の一言から入ることで相手はリラックスでき、評価を素直に受け入れる心の準備ができるのです。

(2) まず良い点を伝えてから、問題点を指摘する
良い点(成長した点)→悪い点(改善すべき点)の順番でフィードバックすることにより、「さらに成長してほしい」という期待を込めたメッセージを伝えることができます。

(3) 普段の仕事の中で、成長したと感じた部分を伝える
ポジティブ・フィードバックの機会は、定期的な進捗確認やミーティングの場にかぎりません。日常の仕事の中で、以前より成長したと感じた部分を何げなく伝えることも大切です。他人と比べるのではなく、本人の能力や技術の伸びに着目してプラス面をフィードバックしていくことが自信につながる、と松尾教授は述べています。

相手を褒めるのは意外に難しく、コメントに具体性がないと、褒められた側もしらけてしまいます。ところがミスや失敗など、悪い行動の具体例は些細なことでもすぐ目につくのに、良い具体例を見つけるのは難しいもの。“仕事は計画どおり進んであたりまえ、目標は達成できてあたりまえ”という固定観念にとらわれていると、メンバー個々の良い行動や成長の跡が見えなくなるのかもしれません。うまくいって当然ではなく、メンバーの努力なくして成功はあり得ないという発想をもって、仕事や組織全体を謙虚に見つめる姿勢が必要です。

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