企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】ワークプレースメント ワークプレースメント

「ワークプレースメント」(Work Placement)とは“就労体験型学生派遣”のことで、企業が在学中の学生を一定期間、派遣社員として有償で受け入れ、学生のキャリアにつながる就労の場を提供するしくみを指します。インターンシップと違って報酬を受けとることができる上、通常のアルバイトでは経験できない実践的な職場体験が得られるため、学生の就業力の養成にも有効と期待されています。
(2012/7/30掲載)

ワークプレースメントのケーススタディ

実践的な職場体験で学生の就業力を養成
企業も採用時のミスマッチ解消に期待

ワークプレースメント」という用語や制度そのものは、イギリスに端を発します。同国では一般的に、大学生などが在学期間中に企業や公共機関で職業経験を積むことをワークプレースメントと呼んでいます。日本で同義に使われるインターンシップという言葉は、法律家や医師など高度な専門性を持つプロフェッショナルの“見習い”を意味し、用語として区別されるのが普通です。

そもそもイギリスにおけるワークプレースメントは、1970年代に大卒者の就職状況が悪化したことを受けて導入されました。教育機関が企業と連携しながら学生の就業力の向上に取り組むしくみとして、主に理工学系や語学系の大学で制度化され、普及・定着しています。実施にあたっては、まず2年間大学で学業に専念し、次の1年間は企業での実習に充て、最後の1年は再び大学で学ぶというような“サンドイッチ方式”で行われることが多く、1年程度の長期にわたるのが伝統的なワークプレースメントの特徴です。しかし近年は、短期間のものも増えて、実施形態は多様化してきました。イギリスでは、在学中の生活費は自分で稼ぐのが当たり前。その面でも、報酬を得ながら就業力を磨けるワークプレースメントは学生にとって欠かせない制度になっています。

日本の大学生も、長引く景気低迷の影響で仕送りが年々減少しています。アルバイトとインターンシップ双方のメリットを融合させた、ワークプレースメントに対する彼らの潜在的ニーズは少なくないでしょう。現に、日本でも取り組みは始まっています。日本で実施されているプログラムでは、企業が直接学生を雇用するのではなく、派遣社員として職場に受け入れるのが特徴。もちろん在学中ですから、派遣とはいえ学業に支障の出ない働き方が基本になりますが、学生に提供される就業体験そのものはアルバイトより実践的で、正社員と一緒に営業、企画、マーケティングなどの実務が経験できる内容になっています。本人の姿勢次第では、即戦力としてのスキル修得も可能です。

企業側にも、自社や自社の業界に興味のある学生をワークプレースメントで受け入れるメリットは少なくありません。就業体験を通じて自社の魅力を学生に直接PRできる上、その資質や意欲をじっくりと見極めながらアプローチすることで、ミスマッチの少ない効率的なリクルーティングが可能になります。「学生の就業力向上のための社会貢献」に積極的な企業として認められ、CSR評価の高まりも期待できるでしょう。

記事のオススメ、コメント投稿は会員登録が必要です

あわせて読みたい

逆求人
企業が求人募集をかけて学生を集める従来の新卒採用活動の流れとは逆に、学生側がイベントやインターネットなどを活用して自らをアピールし、興味をもってくれた企業からのアプローチを待つしくみのことを「逆求人」と言います。知名度は低いけれど採用意欲の高い中堅・中小企業と、人気企業にこだわらずより広い選択肢か...
エクスターンシップ
大学生に対するキャリア教育の一環として行われる短期就業体験プログラムのことを、アメリカでは「エクスターンシップ」(Externship)と呼びます。学生自身が関心のある分野に能動的に参加することによって、企業や業界に慣れ、実践的な職業スキルに触れる機会を提供するのがねらいです。同じく就業体験であるイ...
インターンシップ
少子化の影響を受け、採用市場では若年層の人材獲得が困難な状況が続いています。早期離職率の問題も顕在化するなか、ミスマッチを防ぐため、企業・学生の双方で入社前の活動が重要なポイントとなっています。こうした問題を解決する一つの手段となるのが「インターンシップ」です。ここでは、実施企業が増えている背景や実...

関連する記事

人事マネジメント「解体新書」第83回 「インターンシップ」の現状と課題(前編)
『前編』は、インターンシップの現状と課題を整理すると共に、質の高いインターンシップ、特に近年話題となっている採用連動型のインターンシップをどのように実現するかを考えてみたい。
2015/06/12掲載人事マネジメント解体新書
学生と企業それぞれが考える 「インターンシップ」の乖離をなくしたい 「学生が選ぶインターンシップアワード」に込められた想い、 実現したい世界観とは
売り手市場と言われる、近年の新卒採用。企業・学生ともに、短いスケジュールのなかで行動しなければならず、苦労も多いのではないでしょうか。そこで、このところ注目されているのがインターンシップです。本来は学生の職業観を育むことが期待されますが、受け入れ側である企業側...
2017/12/28掲載編集部注目レポート
ダレのための解禁日なのか?
毎年学生と企業を悩ます新卒採用の「解禁日」。解禁日を厳守している企業は年々減少し、形骸化が進む今、「解禁日」は本当に必要なのでしょうか。「解禁日」に関する調査結果から、企業と学生の本音に迫ります。
2018/04/09掲載新卒・パート/アルバイト調査

関連するQ&A

08年賃上げ
お疲れ様です。 08年度の全国平均昇給額と昇給率のデーターをお持ちでしたら、教えて頂きたくお願い申し上げます。 大企業・中企業・小企業別にあれば、なお幸でございます。
非常勤の役員報酬について
お世話になります。弊社には税理士の非常勤役員がいるのですが(監査役です)、今回毎月の報酬とは別に税理士としての業務に対して、報酬を支払うことになりました。この場合、この報酬は、「役員報酬」なのか「弁理士等報酬」なのか、ご意見をお聞かせ頂ければと思います。(この報酬は1回限りです)よろしくお願いします...
内定者インターンシップについて
現在、内定者インターンシップして検討しています。インターンシップといっても、内定者用に企画するのではなく、毎年夏休み期間に募集している学生アルバイトにインターンシップとして参加してもらうというものです。アルバイト先は、入社1年目の仕事をしている職場です(宿泊先提供・交通費提供・給与支給)。そこで、入...
新たに相談する
相談する(無料)

「人事のQ&A」で相談するには、『日本の人事部』会員への登録が必要です。

新規登録する(無料) 『日本の人事部』会員の方はこちら
業務に関するちょっとした疑問から重要な人事戦略まで、
お気軽にご相談ください。
各分野のプロフェッショナルが親切・丁寧にお答えします。

関連するキーワード

分類:[ 人材開発 ]
分類:[ キャリア開発 ]

注目のキーワード解説をメールマガジンでお届け。

Withコロナ時代は社内研修をオンライン化! 「よくわかる人事労務の法改正」ガイドブック無料ダウンロード

50音・英数字で用語を探す

注目コンテンツ

【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


人手不足と多様化の時代<br />
「給与前払い」は人材採用のフックとなるか?

人手不足と多様化の時代
「給与前払い」は人材採用のフックとなるか?

人材獲得施策にはさまざまなものがありますが、最近注目されているツールが...


人事システムが人材マネジメントの基盤を作る! <br />
~常陽銀行の「POSITIVE」導入に見る、人材力「可視化」の狙い

人事システムが人材マネジメントの基盤を作る!
~常陽銀行の「POSITIVE」導入に見る、人材力「可視化」の狙い

地方の企業は厳しい経営環境にあります。地域経済をけん引する地方銀行では...