企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】ポジティブオフ ポジティブ・オフ

「ポジティブ・オフ」とは、「オフ=休み」をもっと「ポジティブ=前向き」にとらえて楽しもうという意味。政府は、休暇を積極的に取得して、外出や旅行を楽しむことを促進するための取り組みを「ポジティブ・オフ運動」と名付け、2011年夏から提唱・推進しています。電力需給対策としての節電と地域経済活性化の両立を目指し、長期的には、休暇を楽しむライフスタイルやワーク・ライフ・バランスの実現といった変革につなげるのがねらいです。
(2012/1/16掲載)

ポジティブ・オフのケーススタディ

震災後の電力需給対策をきっかけに
企業が従業員のオフ充実をサポート

2011年夏からポジティブ・オフ運動が始まった背景には、東日本大震災の影響による電力需給対策の必要性がありました。社会全体が電力使用の削減を求められる中、企業部門においては休業・休暇の長期分散化が、家庭部門においては旅行などの外出が、確実な節電効果をもたらす対策として推奨されたのです。資源エネルギー庁の試算では、外出すると、在宅時のピーク時電力の約7割を削減できるとのこと。被災地はもとより、全国各地の観光関連産業は、震災の直接的な被害に加え、自粛や風評被害によって甚大なダメージを受けました。こうした背景から、節電のための取り組みと、外出や旅行の実施促進による地域経済活性化の両立を目指し、ポジティブ・オフ運動が提唱されたのです。

もっともポジティブ・オフの本旨は、必要に迫られて休むのではなく、休暇を前向きに楽しもう、オフをもっと積極的に活用して充実させようというもの。震災直後の電力需給対策を一つの契機としつつも、将来的には、余暇の充実を重視する豊かなライフスタイルやワーク・ライフ・バランスの実現に向けて、「ライフスタイル・イノベーション」を起こすことを企図しています。

ポジティブ・オフ運動は、その趣旨に賛同する企業・団体によって実施されています。2011年7月15日に51の企業・団体の賛同を得てスタートしましたが、開始1ヵ月時点でその数は70社に達しました。賛同企業・団体は、以下に掲げる(1)~(4)の取り組みのうちいずれかを必ず実施しなければなりません。

(1) 既存の休業・休暇の制度の範囲内において、社内メールなどの方法を活用し、従業員に外出や旅行の実施を啓発すること

(2) 既存の休業・休暇の制度の範囲内において、福利厚生としての費用負担などを行い、従業員の外出や旅行をサポートすること

(3) 休業・休暇の制度を変更する、または新たな休業・休暇を設定するとともに、社内メールなどの方法を活用し、従業員に外出や旅行の実施を啓発すること

(4) 休業・休暇の制度を変更する、または新たな休業・休暇を設定し、福利厚生としての費用負担などを行い、従業員の外出や旅行をサポートすること

各社で実際に行われている取り組みを挙げると、例えば日本マイクロソフト社は、従来から進めていた有給休暇取得の促進に加えて、ポジティブ・オフ運動への賛同を機に、社員が東北地方など指定地域へ旅行する場合は通常2万円の旅費補助を最大6万円にする措置を決定しました。社長室と人事本部の連名による全社員宛のメールやニュースレター、イントラネットを活用し、周知徹底を図っています。またNTTデータでは、各地の観光協会や自治体、旅行会社と連携し、通常ではなかなか知ることができない地方のユニークな旅情報や観光資源を社員に紹介することで旅行の実施を啓発し、地域観光の活性化に貢献しています。

こうした賛同企業・団体は、観光庁のウェブサイト内で企業名や取り組みの内容が紹介されるほか、ポジティブ・オフ運動の公式ロゴやポスター、サポートツールの使用が認められ、賛同企業・団体であることを社内外にアピールできます。賛同企業・団体は今後も拡大する見込みで、新たな賛同申請も随時受け付けています。 

記事のオススメ、コメント投稿は会員登録が必要です

あわせて読みたい

サバティカル休暇
長期間勤務者に与えられる長期休暇のこと。通常の有給休暇や年次休暇とは異なり、使途に制限がなく、期間は少なくとも1ヵ月以上、長い場合は1年間の休暇となる場合もあります。
特別な休暇制度
「特別な休暇制度」とは、特に配慮を必要とする労働者に対する休暇制度のことです。厚生労働省が策定した「労働時間等見直しガイドライン」における「特に配慮を必要とする労働者について事業主が講ずべき措置」の事例を踏まえ、病気休暇、ボランティア休暇、リフレッシュ休暇、裁判員休暇、犯罪被害者の被害回復のための休...
自転車通勤推進企業
2020年4月、国土交通省は「『自転車通勤推進企業』宣言プロジェクト」を創設しました。本プロジェクトは、自転車通勤を導入する企業や団体を自転車活用推進本部長(国土交通大臣)が認定するもので、企業活動における自転車通勤や業務利用の拡大を図ることを狙いとしています。

関連する記事

【「特別な休暇制度」の導入&活用方法】「従業員の多能工化」との合わせ技で生産性もアップ!
昨今、「特別な休暇制度」が注目されています。厚生労働省は、全国各地で特別な休暇制度に関するセミナーを行い、さまざまなパンフレットやリーフレットを作り配布しています。また、行政の取組みだけでなく、多くの企業で実際に「特別な休暇制度」が導入されています。厚生労働省...
2015/01/16掲載人事・労務関連コラム
7. ワーク・ライフ・バランス支援を進める際の注意点
ワーク・ライフ・バランス支援は比較的新しい制度のため、その他の人事制度とうまく連携できていないケースがある。特に大きな影響があるのが人事処遇制度との連携である。ワーク・ライフ・バランス支援策によって休業や短時間勤務などを選択した場合、処遇にどのように反映される...
2012/11/07掲載よくわかる講座
西久保浩二さん 企業は「福利厚生」から撤退してはいけない
日本の企業福祉研究の第一人者、西久保浩二さんが「企業の人材を活性化させるためにも、福利厚生を有効な投資と見なして戦略的な対応を行うことが大事だ」と提言します。
2005/08/08掲載キーパーソンが語る“人と組織”

関連するQ&A

休日と休暇
休日と休暇の定義(違い)を詳しく教えていただきたいです。
特別休暇の申請について 追記
特別休暇についてですが、 就業規則には、「休暇を与える」ではなく、「休暇を与えることができる」でした。 失礼しました。
裁判員制度と休暇
休暇中の賃金は、無給でよいか
新たに相談する
相談する(無料)

「人事のQ&A」で相談するには、『日本の人事部』会員への登録が必要です。

新規登録する(無料) 『日本の人事部』会員の方はこちら
業務に関するちょっとした疑問から重要な人事戦略まで、
お気軽にご相談ください。
各分野のプロフェッショナルが親切・丁寧にお答えします。

関連するキーワード

分類:[ 就業管理 ]

注目のキーワード解説をメールマガジンでお届け。

POSITIVEの導入事例はこちら 「よくわかる人事労務の法改正」ガイドブック無料ダウンロード

50音・英数字で用語を探す

注目コンテンツ

【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


「短時間JOB」は組織に何をもたらすのか? iction! の取り組みから見えた兆しに迫る

「短時間JOB」は組織に何をもたらすのか? iction! の取り組みから見えた兆しに迫る

リクルートグループは2015年より、働く子育てを支援する「iction...