【ヨミ】コウドジンザイ 高度人材

「高度人材」とは、専門的な技術や知識を持つ外国人労働者の総称として日本政府が使用している用語です。日本の経済成長と技術革新につなげるために、国内で人材が不足している分野で、技術者やスペシャリストを海外から積極的に受け入れるなど、高度人材の獲得に向けた施策の検討・導入が進められています。
(2011/8/29掲載)

高度人材のケーススタディ

世界的な人材獲得競争に勝つために
「ポイント制」で有能な外国人を優遇

経済のグローバル化、技術の高度化、国家間・企業間競争の激化を受けて、海外の優れた人材をめぐる先進諸国の獲得競争が激しさを増しています。日本政府は従来、外国人労働者の受け入れについて「専門的・技術的分野の外国人は受け入れ、単純労働者は制限する」という基本方針を採ってきました。現行の出入国管理法は、人文知識・国際業務、投資・経営、法律・会計業務、医療、研究など一定範囲内の職種・業種・勤務内容に該当する人材にかぎって、就労可能な在留資格を認めています。しかし現在、こうした「高度人材」に相当する日本への新規入国者の数は伸びていません。成長著しいアジアの新興国との獲得競争でも後れを取っているのが現状です。

そこで政府は、海外の優秀な人材に日本での就労を促すインセンティブとして、年収・学歴・職歴などを点数化し、一定以上のポイントに達した者を「高度人材」と位置づけて優遇する「ポイント制」導入の検討を進めています。もともとは旧自公政権下で発足した外国高度人材受入推進会議が2009年5月にレポートをまとめ、「外国高度人材の受け入れ推進を成長戦略の重要な一翼と位置づけて、中長期的観点から高度人材の受け入れを進めていく必要がある」と提言したのが発端でした。政権交代後も、政府が新成長戦略に掲げた「優秀な海外人材を引き寄せる」との方針に沿って、法務省・厚生労働省など関係省庁がポイント制導入を検討。今年5月に法務省の素案として、「高度人材に対するポイント制による優遇制度の基本的枠組み案」が発表されました。

この素案によると、同制度の対象は「学術研究」「高度専門・技術」「経営・管理」の3分野で活動している外国人に限定。評価基準を事前に示し、客観的評価を100点満点で行うとしています。たとえば「経営・管理」の分野では、基礎配点を学歴(35点)、職歴(15点)、年収(35点)、企業での地位(15点)とし、就労する企業や日本語の能力に応じてボーナス的に加点、70点を合格ラインとする案が有力です。この点数を満たした高度人材には、最長在留期間の5年への延長(現行は3年)、永住権取得条件の緩和、さらには親や家事使用人の帯同、配偶者の就労許可といった優遇措置が検討されています。

ただし素案の内容をめぐっては賛否両論あり、調整は難航しているようです。たとえば「親や家事使用人の帯同」「配偶者の就労許可」といった優遇措置について、法務省側は「有為な人材を招く上で家族やメイドを連れてこられないことがハードルになる」として容認を主張するのに対し、「ドサクサ紛れに単純労働者を受け入れようとしている」との批判が政府・与党内から高まっています。制度導入の是非も含め、具体化までにはさらなる議論の深まりが求められるところです。

ちなみに海外ではイギリスやカナダがすでに同様のポイント制を導入済みで、韓国では重点産業に就く外国人を在留期間延長で優遇する「ゴールドカード制度」を採用、ドイツでも一定所得以上の人材の定住許可要件を緩和しています。

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日本企業は外国人の「高度人材」を獲得せよ
「外国人高度人材に関するポイント制導入の際の基準等に関する論点整理」を取りまとめました(厚生労働省)

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