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【ヨミ】プロセスヒョウカ プロセス評価

「プロセス評価」とは、人事考課の手法のひとつ。仕事の遂行度や目標達成度など、課された業務の成果のみを評価要素として見る業績評価に対して、成果に至るまでの“過程”(プロセス)に着目し、そこにどのような価値が存在したかという視点から判断するのがプロセス評価の考え方です。人材育成にも有効とされる評価法で、近年は行き過ぎた成果主義の影響を是正するために重要視されています。
(2011/5/30掲載)
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プロセス評価のケーススタディ

7割以上の企業が結果よりプロセス重視
“成果を生み続ける人材”を育てるために

プロセス評価を導入するためには、「成果につながるプロセス」とはどのようなものか――評価の基準を設計しなければなりません。その上で従業員の実際の仕事ぶりが、その標準化されたプロセスにどれだけ沿っているかを定量的に把握し、考課に反映させていくのがプロセス評価のしくみです。従来の能力評価や情意評価もこのプロセス評価のひとつですが、最近では代表的な評価法として、コンピテンシー評価がよく活用されています。

能力評価では成果を出すために必要な「能力」が、情意評価では「意欲や姿勢」が評価されますが、コンピテンシー評価ではプロセスにおいて社員がどう振る舞ったか、実際の「行動」のみが評価の対象となります。職種や業務内容に応じて会社が社員に期待する「あるべき人材の姿」(コンピテンシー=行動特性)を評価基準に定め、それと各社員が業務遂行過程でとった行動とを比較することで、人材の的確な評価につなげようとするものです。

企業活動には当然のことですが、成果が求められます。とすれば、たまたま目先の成果をあげた人材よりも、将来にわたって継続的に成果を生み出せる人材が必要なのは自明でしょう。たとえば営業部員の場合、販売実績のような数字だけで評価したのでは、誰が売れて、誰が売れなかったのかという結果しかわかりません。コンピテンシー評価に代表されるプロセス評価を活用すれば、なぜそうなったのか、誰にどんな能力が不足しているのかを把握して、一人ひとりの営業プロセスの改善に役立てることができるので、具体的な人材開発にも結びつきやすいのです。

2011年5月に労務行政研究所が発表した「人事考課制度に関する実態調査」の結果では、06年以降に何らかの人事考課制度に関する改定を実施した企業は調査対象企業の約半数(一般社員で47.8%、管理職で51.7%)に達し、その改定内容をみると、結果主義からプロセス主義へ――自社の評価制度を見直す動きが顕著に表れています。

「成果につながる行動や業務遂行プロセスに着眼した評価要素・項目の設定」を現在実施している企業は一般社員で73.9%、管理職で73.3%。これは前回調査(06年)より約10ポイントも増加しています。また今後の動向としてとくに目立つのは、「企業理念や社員の行動指針と連動した評価(バリュー評価)」「企業倫理や法令の遵守など、コンプライアンスの着眼点に基づく考課項目の設定」といった施策への関心度の高さで、それぞれ15~17%の企業が実施を予定・検討と答えています。職務遂行過程での社員の行動プロセスを適切に評価することで、企業の理念や求める人材像を組織に浸透させたり、内部統制を確実なものにしたりすることが求められているのです。

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