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【ヨミ】クロスファンクショナルチーム クロスファンクショナルチーム

クロスファンクショナルチーム(Cross Functional Team、以下CFT)とは、全社的な経営課題を解決するために、部署や役職にとらわれず、場合によっては社外からも必要な人材を集めて構成されるチームのこと。通常は一時的なプロジェクト形式で編成されますが、正式部署として定常的に設置される場合もあります。部門横断的な協働や専門知識の共有が促されるため、セクショナリズムの弊害で硬直してしまった組織の経営・業務改革や、体制刷新に効果があるといわれます。
(2010/8/2掲載)

クロスファンクショナルチームのケーススタディ

ゴーン改革を成功させた部門間協働
「他責の文化」を払拭して組織を再生

CFTといえば、日産のカルロス・ゴーン社長のマネジメント手法を思い浮かべる人が多いでしょう。同社をV字回復に導いた再建計画――NRP(日産リバイバルプラン)の策定に際して、その実行主体となったのがCFTでした。いわゆるゴーン改革の要諦は、CFTの設立および活用にこそあったといっていいでしょう。

1990年代、同社が深刻な業績不振に陥った背景には「顧客志向の欠如」があったといわれます。ゴーン社長によれば、そもそも企業に対する顧客の要求はクロス・ファンクショナル(部門横断的)であり、コストの問題にせよ、品質や納期の問題にせよ、一つの機能、一つの部門だけで解決できるものではありません。にもかかわらず、かつての日産の組織には「他責の文化」――誰もが何かが間違っていると感じながら、問題は自分たちの部署にあるのではなく、他の部署にあるのだ、と互いに責任をなすりつけ合うセクショナリズムや縦割り意識がはびこっていたといいます。ゴーン社長は、こうした「他責の文化」を払拭するために9つのCFTを立ち上げ、抜本的な改革に乗り出したのです。

取り組んだテーマは「事業の発展」「購買」「製造・物流」「研究開発」「マーケティング・販売」「一般管理費」「財務コスト」「車種削減」「組織と意志決定プロセス」の9つ。NRP発表後に、新しく「設備投資」の項目も加わりました。

CFTは決断を下す機関ではありません。テーマについての検討、解決策の提案がミッションであり、日産でも、提案に対して実際に判断を下すのは経営委員会の権限でした。各10人程度で編成された同社のCFTでは、3ヵ月の活動期間中に合わせて2,000件ものアイデアが検討されました。それらがNRPとしてまとめられたのです。

日本では日産の成功によって一躍有名になりましたが、もともとCFTの考え方自体は、80年代に世界市場を席巻していた日本企業の競争力の源泉であるとして、主にアメリカで理論化されたものです。元来、わが国の製造業の現場では非公式なコミュニケーションが頻繁に行われ、自然発生的に部門間の情報共有が実現していました。欧米の研究者は、そうした活発な部門間協働が、高い生産性と品質を達成する要因であると考えたのです。その意味で近年のCFTへの注目は、日本企業本来の強みの“逆輸入”といえるかもしれません。

とはいえ、CFTそのものはあくまでもマネジメントのツール。それを機能させるにはトップの強いリーダーシップが求められることはいうまでもないでしょう。トップ自らが組織に染みついた固定観念と決別し、改革にコミットする意図を明確に示すこと――それこそがCFTの取り組みを成功させるカギです。

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