グローバルモビリティ
グローバルモビリティとは?
「グローバルモビリティ(Global Mobility)」とは、人事分野において、異なる国や地域間での従業員の異動や配置を管理するプロセスや戦略のこと。その国におけるローカルルールを熟知しつつ、グローバル感覚も兼ね備えた人材を採用し、人事異動や配置転換もグローバルで実施します。グローバル競争力が増している今、企業が海外に進出したり、複数の地域でビジネス活動を行ったりする際に重要な概念です。
愛用している製品・サービスは日本製?
今、グローバルモビリティが重要な理由
あなたが日常的に使っている製品やサービスを五つ挙げてみてください。その中に、海外製のものはいくつ入っていますか。また、10年前に同じ質問をしていたとして、10年前と今を比較したとき、その数に違いはありますか。おそらく今のほうが海外のサービスが身近になっているのではないでしょうか。Google、Apple、Facebook、Amazonといった企業の爆発的な成長も、シームレスにつながる世界を象徴しています。
これが、グローバルモビリティが重要視されている理由の一つです。日本企業もいよいよグローバル競争から逃れられなくなっているのです。
日本企業はこれまで、言語や文化の特異性から外国企業が参入しづらい環境にありました。しかし、インターネットやSNS、翻訳技術などが発展し、国境の垣根は年々低くなっています。また、日本の人口が減少し、マーケットも縮小していくことは自明の事実。外国企業が競合になる時代、日本企業は生き残りをかけて、グローバル競争に立ち向かっていかなければなりません。
そのときに必要な概念がグローバルモビリティ。世界的に事業を展開している日本企業の多くは、経営層が多国籍であるという傾向が見られます。CEOに外国人を迎え入れることも多く、今やグローバルモビリティは企業成長に欠かせない手段の一つです。
グローバルモビリティを推進することは、従業員が多様なバックグラウンドの人と協働し、経験の幅を広げることにつながるため、人材育成の面でもメリットがあります。新しいアイデアが生まれやすくなり、企業の活力にもつながるでしょう。
ただし、現地の規範やものの見方などを知らないまま、単なる国内事業の焼き直しで海外に進出しても、効果は期待できません。社会から受け入れられることはなく、現地スタッフとの衝突は絶えないでしょう。意図せずに法律違反をしてしまうなど、多くの困難を引き起こしてしまうかもしれません。
海外でビジネスを展開する際は文化や法律など、その国の慣行を熟知した、ローカルにもグローバルにも強い人材が必要です。また、採用・育成・異動をグローバル規模で行う場合、国内とは異なる人材戦略が求められます。入国に際してのビザや労働許可証の取得、雇用に関する契約書作成など、複雑な労務手続きも行わなければなりません。
海外拠点で現地の採用競合企業に打ち勝ち、優秀な人材を獲得できるか。彼らの能力を引き出し、伸ばし続けることができるか。グローバルに、同時にローカルに。これがグローバル展開を成功に導くかどうかの鍵となるでしょう。
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