ボアアウト(退屈症候群)
ボアアウト(退屈症候群)とは?
「ボアアウト(Bore out)」とは、主に仕事における物足りなさややりがいのなさにより、やる気を失ったり不安や悲しみを感じたりして、メンタルヘルスに支障をきたすことです。「退屈症候群」とも呼ばれます。物事への意欲がなくなり、慢性的に退屈さを感じるようになるため、「バーンアウト(燃え尽き症候群)」と症状は似ていますが、原因は対照的です。バーンアウトは業務量の多さや難易度の高さから働きすぎてしまうことに起因しますが、ボアアウトは業務が減って単調な日々が続くなど、刺激が無い環境下で陥りやすいとされています。
コロナ禍で慢性的な退屈状態に
いきいきと働くために必要な七つのこと
コロナ禍の初期の頃、あなたはどのように働いていましたか。手がけていたプロジェクトが中止になったり、リモートワークで仕事の熱量を感じにくくなったりして、満たされない気持ちを抱えていた人も多かったのではないでしょうか。ボアアウトの原因には、仕事量の減少、刺激のない単調な仕事、コミュニケーションの減少などがあります。コロナ禍はまさに、ボアアウトに陥りやすい環境だったのです。
WHO(世界保健機関)は、こころの健康を「個人の持つ能力を発揮し、生活のストレスに対処でき、生産的で充実して働くことができ、地域にも貢献できる状態」と定義しています。
WHOのこころの健康をビジネス用語で言うと「ワーク・エンゲージメント」。仕事に誇りを感じ、熱心に取り組み、仕事から活力を得ていきいきしている状態を指します。ボアアウトやバーンアウトを経験すると、ワーク・エンゲージメントとは対極の状態になってしまいます。
従業員にいきいきと働いてもらうために、どのような環境を整える必要があるのでしょうか。こころの健康を保ち、ワーク・エンゲージメントを高めるためには必要な要素は何でしょうか。慶應義塾大学 総合政策学部 教授の島津明人氏は、いきいきと働くためのポイントを次の七つにまとめています。
1 頑張ったら報われる
2 周囲の支援の活用(支援を得ている実感は、自分がしていることの価値の認識につながる)
3 ジョブ・クラフティング(「やらされ感」を「やりがい」へと変えていくための認知の変容)
4 リカバリー(疲労回復)
5 ワーク・ライフ・バランス
6 ボジティブ感情の創出(課題を細分化しコントロール可能な状態にする、ポジティブなイベントを創出する、感謝する、など)
7 生活習慣(運動や睡眠などの生活習慣の改善)
ニューノーマルを歩み始めた今、リモートワークは働き方の一つになりつつあります。満員電車によるストレスがなく、プライベートとの両立も叶いやすいリモートワークは利便性の高さが好評です。しかし、コミュニケーションや仕事による熱量を感じづらい側面もあるでしょう。どのような働き方を選んでも、ワーク・エンゲージメントを実現できるような職場作りが求められます。
参考:ワーク・エンゲイジメント 健康に活き活き働くコロナ禍で活躍している看護職へ送るエール!|令和3年度愛知県看護協会総会
用語の基本的な意味、具体的な業務に関する解説や事例などが豊富に掲載されています。掲載用語数は1,400以上、毎月新しい用語を掲載。基礎知識の習得に、課題解決のヒントに、すべてのビジネスパーソンをサポートする人事辞典です。
- 参考になった2
- 共感できる0
- 実践したい0
- 考えさせられる0
- 理解しやすい0
- 1