トランスペアレンシー(透明性)
トランスペアレンシー(透明性)とは?
「トランスペアレンシー(Transparency)」とは、情報の透明性のこと。昨今、米国や英国を中心に、企業の情報が公開され、誰でもアクセスできることが求められるようになっています。情報にアクセスできると、従業員は組織の判断がどのような根拠に基づいているのかを知ることができ、納得感を得られます。一方、情報にアクセスできなければ、組織への信頼感が低下することもあるでしょう。インターネットやSNSが発達し、意図せずとも情報が流れ出てしまう時代だからこそ、透明性があることは自浄作用を高め、社会的信用にもつながります。
情報の透明性を高めることで起こる
社内・社外への好影響
企業が透明性を高めることのメリットは何でしょうか。まずは、社内に向けた情報の透明性。経営上の意思決定や人事情報などを社員にオープンにすることです。
米国の一部のIT企業では、社員の等級や給与を全て公開しており、従業員は同僚の給与を確認することができます。その効果は、役割やパフォーマンスに対する責任感が生まれること。給与まで公開しなくても、例えば「評価」に対する透明性が担保されると、待遇に納得感が生まれ、従業員のエンゲージメントを高めます。
また、経営層と一般社員がほぼ同じレベルの情報量を持ち合わせることで、イノベーションが起きやすくなるというメリットもあります。どんな職位の社員にも同じ情報が与えられることで、年齢やポジションにかかわらず、さまざまな意見やアイデアが飛び交いやすくなるのです。
社外に対して透明性を高めることは、会社の信頼を形成するマーケティング上の効果があります。エシカル消費という言葉もありますが、透明性を打ち出している企業は消費者からのイメージが良くなります。会社のリソースをどのように分配しているか、情報をどのように扱っているか、従業員や取引先とフェアな関係であるかなどがわかることで、購入先として選ばれやすくなるのです。採用においても同様で、透明性は優秀な人材をひきつける要因となるでしょう。
リモートワークが定着し、インターネットやSNSの利用が活発化するなか、従業員や消費者との信頼関係を構築するためにも、情報の透明性を高めて共有することの重要性がこれまで以上に増しています。
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