【ヨミ】シーエルオー CLO
(2006/8/7掲載)
経営の透明性を確保する狙いから、アメリカの企業では一般に、企業経営に関する執行の責任と、経営を監視・監督する責任は、明確に分離されています。実際に経営を担うのが執行役、それを監視するのが取締役です。執行役にはさまざまな役職があり、最近日本でも普及しているのは、経営のトップを担う「経営最高責任者(CEO)」です。そのほかの執行役には、最高技術責任者(CTO)や最高営業責任者(CMO)などもあります。CLOは、これらに並ぶ重要な役職の一つです。
日本では2006年4月に、新生銀行がCLOを任命しました。同時に、CLOをサポートする部署として、CLO室も設置しています。従来の人事部などとは違い、社長直属の独立した部門です。新生銀行のCLO室では、「ビジネスプランに直結した組織・人材開発、戦略的社員教育・教育コンテンツの開発・運営」や「短期・中期・長期的な視点による後継者育成制度の徹底」などを担うと言います。
日本企業ではこれまで、こうした人材教育は、主に人事部が担当していました。しかし、その責任に関しては、社長にあるのか、人事部にあるのか、あまり明確ではありませんでした。しかも、人事部の仕事は採用・労務管理・福利厚生・人材配置・就業規則の策定など多岐にわたり、人材教育に特化して取り組める状況ではなかたのも事実です。アメリカ企業のようなCLOやCLO室の登場は、従来の人材教育のあり方や人事部の機能にも大きな影響を与える可能性があります。
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