セレンディピティ
セレンディピティとは?
「セレンディピティ(Serendipity)」とは、偶然をきっかけに予想外のものを見つけ、価値を見出し、幸運をつかみ取ることを意味しています。語源は、3人の王子たちが優れた能力や才気によって、有益なものを偶然に発見するスリランカの童話『セレンディップの3人の王子たち(The Three Princes of Serendip)』で、同書を読んだ18世紀のイギリスの政治家で小説家のホレス・ウォルポールによる造語だと言われています。
物理的な行動が制約されたコロナ禍で
セレンディピティに出会うには
セレンディピティは単なる「偶然の発見」ではなく、能力のこと。偶然の出来事に遭遇することは誰しもありますが、それに価値を見出して活用するかどうかは人によって異なります。問題意識を持ちアンテナを立てているか、価値を見出すだけの知識があるか、単なる偶然を優れたひらめきや価値に転換できるかどうかは、その人の能力次第なのです。
最近はビジネスシーンでも「セレンディピティ」という言葉が使われることが増えてきました。物を作れば売れた大量生産の時代は終わり、売れるものを作るためには、異なるもの同士が交わることで生まれるイノベーションが欠かせません。しかし、イノベーションはなかなか意図して起こせるものではありません。そこで、セレンディピティが注目されているのです。
セレンディピティ研究者の澤泉重一氏は、片井修氏との共著『セレンディピティの探究』のなかで、人生には「やってくる偶然」だけではなく、「迎えに行く偶然」があると述べています。セレンディピティを能力と捉えると、後天的に強めることができます。自分のアイデアや考えをオープンにする、適切な場所に身を置くといった方法によって、セレンディピティを起こしやすくすることができるのです。
現在は世界的に流行している新型コロナウイルス感染症の影響で、セレンディピティに遭遇しにくくなっていると言われています。出社する機会が減り在宅勤務が中心になったことで、社内外の人たちと何気ない会話や雑談をすることが難しくなり、意図したもの以外に出会える機会が減ってしまっているのです。
しかし、オンラインにもセレンディピティは眠っています。コロナ禍においてはSNSやオンラインイベントといったものに参加するフットワークの軽さが、セレンディピティに出会うための条件と言えるでしょう。
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