企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】キャリア アダプタビリティ キャリア・アダプタビリティ

「キャリア・アダプタビリティ」とは、個人のキャリアにおいて、変化の必要性が生じたときにその変化を受け入れ、適応できる能力のことをいいます。キャリア研究の第一人者であるドナルド・E・スーパーによって提唱され、その後マーク・L・サビカスが発展させた概念です。マーク・L・サビカスは「キャリア構築理論」を唱え、そのなかの重要概念の一つとしてキャリア・アダプタビリティを挙げています。

キャリア・アダプタビリティのケーススタディ

何が起こるかわからない変化の時代に求められる
キャリア・アダプタビリティによる「不確実性への耐性」

キャリア・アダプタビリティは、自分のキャリアに関心を持ち(Concern)、コントロールでき(Control)、探求する好奇心を持ち(Curiosity)、自信を持つ(Confidence)という四つの次元から構成されています。

現在、フリーランスやパラレルワーカー、副業人材などが増え、私たちの働き方は多様化しています。ランサーズの「フリーランス実態調査」によると、広義のフリーランス(業務委託で所得を得ている人)の推計経済規模は2018年に初めて20兆円を超え、日本の総給与支払額の10%を占めるといいます。また、広義のフリーランス人口は2015年の913万人から、2020年には1034万人と100万人以上増えています。

「大企業に入れば、一生安泰」という時代は終わりつつあります。日本経済団体連合会(経団連)の中西宏明会長や、トヨタ自動車の豊田章男社長が「終身雇用の限界」を訴え、新卒一括採用を含めた日本型雇用システムの見直しが叫ばれている今、会社員であっても変化に応じて柔軟にキャリアを変えていく力、つまり「キャリア・アダプタビリティ」が求められています。

類似の考え方に「プロティアン・キャリア」があります。変化に応じて変幻自在にキャリアを適応させていくという概念です。「適応」と聞くと外的要因に自分を合わせていく受け身な印象を持つかもしれませんが、キャリア・アダプタビリティやプロティアン・キャリアは必ずしも受け身な姿勢ではなく、主体性や自己肯定感・自己効力感に基づいています。何が起こるかわからない混沌(こんとん)とした世の中でも、不確実なものに耐性があり、不確実性を受け入れるオープンさが根底にある上での「適応」なのです。

終身雇用におけるキャリア開発は、個人ではなく組織が考えるものでした。しかしこれからは、自分でキャリアをデザインしていかなければいけません。「キャリアの成功」が指すものを、大企業に就職したり組織の中で昇進したりすることだけでなく、「自分にとっての成功は何か」という視点で自分自身が定義することが重要です。また、継続的に学習することで、キャリアを刷新し続けていく姿勢も求められています。

・関連キーワード
プロティアン・キャリア

・参考
フリーランス実態調査 2018年版を発表(ランサーズ)
「ランサーズ フリーランス実態調査(2020年度)」詳細版を公開いたします(ランサーズ)

記事のオススメ、コメント投稿は会員登録が必要です

あわせて読みたい

ライフキャリア・レインボー
「ライフキャリア・レインボー」とは、1950年代に米国の教育学者のドナルド・E・スーパーが発表したキャリア理論。ライフキャリア・レインボーの理論では、キャリア=職業とは考えず、キャリアを人生のある年齢や場面のさまざまな役割(ライフロール)の組み合わせと定義。人生全般にわたり、社会や家庭でさまざまな役...
キャリアショック
「キャリアショック」とは、国内のキャリア研究の第一人者である、慶應義塾大学大学院特任教授の高橋俊介氏が同名の著書で提唱した概念で、自分が積み上げてきたキャリアや描いてきたキャリアの将来像が、想定外の環境変化や状況変化によって短期間のうちに崩壊してしまうことをいいます。変化の激しい時代を生きるビジネス...
プロティアン・キャリア
「プロティアン・キャリア」とは、環境の変化に応じて自分自身も変化させていく、柔軟なキャリア形成のことをいいます。「プロティアン(Protean)」はギリシア神話に出てくる、思いのままに姿を変えられる神プロテウスが語源となっており、「変幻自在な」「多方面の」と訳されます。組織内でのステップアップに重き...

関連する記事

タナケン教授の「プロティアン・キャリア」ゼミ【第2回】 そもそも「キャリア自律」は、必要なのでしょうか?
令和という新時代。かつてないほどに変化が求められる時代に、私たちはどこに向かって、いかに歩んでいけばいいのでしょうか。これからの<私>のキャリア形成と、人事という仕事で関わる<同僚たち>へのキャリア開発支援。このゼミでは、プロティアン・キャリア論をベースに、人...
2019/12/27掲載編集部注目レポート
花田 光世さん: 「キャリアアドバイザー」を活用することで、組織の活性化と個人のキャリア自律の統合を図る
近年、組織における「キャリアアドバイザー」の存在が注目を集めています。慶應義塾大学総合政策学部の花田光世教授はこのキャリアアドバイザーの育成に長年取り組まれ、キャリアカウンセラーのように社員の個人の「こころ」の問題を中心としたキャリアの支援だけでなく、“組織の...
2013/10/11掲載キーパーソンが語る“人と組織”
タナケン教授の「プロティアン・キャリア」ゼミ【第11回】 今、必要なのは、キャリア戦略会議!
令和という新時代。かつてないほどに変化が求められる時代に、私たちはどこに向かって、いかに歩んでいけばいいのでしょうか。これからの<私>のキャリア形成と、人事という仕事で関わる<同僚たち>へのキャリア開発支援。このゼミでは、プロティアン・キャリア論をベースに、人...
2020/09/28掲載編集部注目レポート

関連するQ&A

キャリア採用担当者の留意点
この度ジョブローテーションにてキャリア採用の担当者に新たになりました。何分始めての仕事のため何をどうすれば良いかイメージがわきません。キャリア採用担当者としての留意点がありましたらアドバイスいただけますでしょうか?
キャリアコンサルタントについて
社員のキャリア支援、キャリアカウンセラーとして、知識・技術・意識そして資格を取得したいのですが、キャリア開発協会のCDA資格やNPO生涯学習キャリア・コンサルタント検定等様々なものがありますが、実績・内容から判断してどれが好ましいのでしょうか?
新たに相談する
相談する(無料)

「人事のQ&A」で相談するには、『日本の人事部』会員への登録が必要です。

新規登録する(無料) 『日本の人事部』会員の方はこちら
業務に関するちょっとした疑問から重要な人事戦略まで、
お気軽にご相談ください。
各分野のプロフェッショナルが親切・丁寧にお答えします。

関連するキーワード

分類:[ 人材開発 ]
分類:[ キャリア開発 ]

注目のキーワード解説をメールマガジンでお届け。

POSITIVEの導入事例はこちら 「よくわかる人事労務の法改正」ガイドブック無料ダウンロード

50音・英数字で用語を探す

注目コンテンツ

【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


時代とともに進化する人事業務に求められる<br />
ICTサポートとは何か

時代とともに進化する人事業務に求められる
ICTサポートとは何か

経営戦略を実現する上で重要なポジションである人事業務。人事業務は日々進...


働きやすさだけでなく、働きがいも大切<br />
不調者が輝きを取り戻すメンタルヘルス対策とは

働きやすさだけでなく、働きがいも大切
不調者が輝きを取り戻すメンタルヘルス対策とは

2012年11月に独立行政法人「労働政策研究・研修機構」が実施した調査...