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【ヨミ】ショウニンヨッキュウ 承認欲求

「承認欲求」とは、他人から認められたいと思う感情のこと。組織やマネジメントについて研究し、承認欲求について何冊も著書を持つ同志社大学政策学部の太田肇教授は、「承認欲求は、人間の欲求の中で最強といっても過言ではない」と述べています。

承認欲求のケーススタディ

承認欲求は悪いもの?
認められたい欲を、役に立ちたい欲へ

米国の心理学者マズローは、人間の基本的欲求を表す「階層説」を提唱しました。人間には五つの欲求があり、より低次な欲求が満たされると次の欲求が現れるという考え方で、低次から生理的欲求(生命を維持したい)、安全欲求(危険を回避したい)、社会的欲求(集団に所属したい)、承認欲求(他者から認められたい)、自己実現欲求(自分の能力を生かして創造的活動がしたい)と続きます。

SNSが発展し、誰もが自由に発信できるようになった今、インターネットの無かった時代よりはるかに承認欲求が可視化されるようになりました。自分をよく見せるために情報を発信し、「いいね」ボタンを押してもらうことを生きがいにする人たちに対して、「承認欲求が強い」と感じることもあるでしょう。気になるのは、その言葉に込められた意味。誰かのことを「承認欲求が強い」と言うときは、必ずといっていいほどネガティブなニュアンスが込められています。では、承認欲求は本当に悪いものなのでしょうか。

気を付けなければならないのは、承認欲求には「光」の部分と「陰」の部分があること。承認欲求が良い形で作用すると、モチベーションが上がり成果を上げる原動力になります。一方、承認欲求が一度満たされると、「認められたい」から「認められなければ」と思うようになり、生きづらさや精神疾患につながることもあります。

承認欲求の「陰」の部分が強く出てしまう人たちには、自己を肯定する自覚(ベーシック・トラスト)を持てていないことが多いといいます。「自分はもともと価値がある存在」で「愛されている存在」だと自覚できていなければ、他者からの承認に頼ってしまうのです。このとき必要なのは、自分のことを無条件で受け入れてくれる存在。これは保護者や恋人といった「人」に限らず、成功体験などの「経験」でも代替することができます。

ベーシック・トラストが育つことによって、承認されたいという欲求は変わっていきます。評価軸が他者から自己に変わり、「自分が自分に満足しているか」という基準で判断できるようになるのです。他者から評価されたいと願う気持ちはゼロにはならないかもしれません。それでも、「他者承認」を「人の役に立つ喜び」へと昇華させていければ、承認欲求とバランス良く付き合っていくことができるでしょう。

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