企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】サース サーズ SaaS

「SaaS」とは、Software as a Serviceの略。日本語に訳すと「サービスとしてのソフトウェア」という意味で、ユーザーが必要な機能を、必要なときに、必要な分だけサービス として利用できるようにしたソフトウェア、もしくはその提供形態をいうIT用語です。ソフトウェアそのものをユーザー側に導入するのでなく、ベンダー(プロバイダー)側で稼働し、必要な機能をインターネットなどのネットワーク経由でユーザーに提供するのが「SaaS」のしくみ。クラウドコンピューティングが台頭して以来、その一分類とも位置付けられ、人事・給与・勤怠管理システムの領域においても、SaaS型の提供形態をとる製品が徐々に増えてきました。
(2016/7/25掲載)

SaaSのケーススタディ

ネットワークを介して利用するソフトウェア
ASPやクラウドとは、何がどう違うのか?

人事システムを含む企業向けITシステムのあり方は、それを利用するためのハード/ソフトの形態によって、いくつかの種類に分けることができます。ソフトウェアの販売・提供形態に着目すると、従来は、ソフトウェアをユーザー企業に、パッケージ製品(パッケージソフト)としてライセンス販売する形態が主流で、ユーザー企業はこれを自社内に用意した自前のコンピュータに導入し、稼働・利用してきました。オンプレミス(クライアント・サーバー型)と呼ばれる自社運用方式です。

これに対し、ソフトウェアをベンダー側のコンピュータで稼働させ、ユーザーはソフトウェア機能をインターネットなどのネットワーク経由で、サービスとして利用するという形態が「SaaS」。通常、SaaS型製品のサービス料には、利用者数などに応じた従量制の課金モデルが採用されます。必要な機能を必要なときに、必要な分だけ利用できるのが、SaaSの大きなユーザーメリットなのです。また、ソフトウェア自体の管理は、すべてベンダー側が行うので、ユーザーとしては、カスタマイズの余地が少ないかわりに、自社設備の構築・管理に手間やコストがかかりません。利用者数や処理量の急な変動、短期間での利用開始にも対応しやすくなります。ただし、コスト面のメリットは大きいものの、インターネットを経由するため、セキュリティ面で相応の技術力が求められる点には留意すべきでしょう。特に人事システムの場合、重要な個人情報を大量に取り扱うことから、インターネットの利用は慎重になるべきだという意見もあります。

実際、2015年3月に矢野経済研究所が発表した「ERP/業務ソフトウェアの導入実態調査結果2014」によると、人事・給与システムにおけるSaaSの利用率は全体の1.9%、CRM(顧客管理)SFA(営業支援)など他の業務分野に比べても低い水準にとどまっていることがわかりました。人事システムの分野では、依然としてパッケージ製品の利用が主流ですが、次回更新時の利用意向を見てみると、SaaSと答えた比率は8.1%まで上昇。今後、緩やかに普及が進んでいくものと考えられます。

なお、SaaSの同義語として使われることの多い言葉に「ASP」(Application Service Provider)があります。簡単に言うと、1990年代末に登場したASPはSaaSの“前身”にあたるサービス。「ネットワークを介してソフトウェアを提供する」というコンセプトは同じですが、当時はまだ安価で高速なインターネット環境が整備されていなかったことなどから、期待されたような普及には至りませんでした。ブロードバンドの拡充やサーバなどのコンピュータリソースを複数のユーザーで共有する「マルチテナント」技術の開発により、ASPの抱えていた欠点を克服し、進化したサービスとして2005年頃に登場したのがSaaSなのです。

記事のオススメ、コメント投稿は会員登録が必要です

あわせて読みたい

サブスクリプション
「サブスクリプション」とはビジネスモデルの一つで、商品やサービスごとにお金を払う「買い切り」ではなく、一定期間の利用権として継続的に料金を支払う形式のこと。直訳すると「定期購読」で、「サブスク」とも略されます。個人向けでは「Amazonプライム」や「Netflix」などが知られていますが、近年はMi...
ERP
ERPはEnterprise Resource Planningの頭文字をとった略語で、「企業資源計画」と訳されます。本来は言葉の通り、経営に必要な資源を管理するための計画を指しますが、日本では一般的に「企業活動におけるあらゆる情報を連携・集約した統合基幹業務システム」を意味することが多くなっていま...
ソーシャルメディア
ソーシャルメディアとは、ブログやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)、Twitterなど、ユーザーの参加によってコミュニケーションが飛躍的に広がっていく、オンライン上のインタラクティブ(双方向)なサービスの総称です。個人の発信する情報が不特定多数のユーザーに公開され、閲覧したユーザーはレ...

関連する記事

5. 人事システムの種類
人事システムは大きく「人事・給与システム」と「戦略人事システム」に分けられるが、それをさらに細かく「目的別に見た人事システムの種類」「技術的に見た人事システムの種類」に分類する。
2012/10/29掲載よくわかる講座
2. 人事システムの歴史
人事システムは、時代によって移り変わっていった人事の役割とともに、その機能やシステム構成を進化させてきた。その時々の経済情勢や社会のあり方、また、IT技術の進歩に大きな影響を受けている。1980年代以降の人事をとりまく状況と人事システムについて整理する。
2012/10/29掲載よくわかる講座
1. 人事システムとは
「人事システム」とは、人事のさまざまな業務をIT化することで企業経営に貢献するシステムである。業務の効率化やコスト削減だけにとどまらず、企業の組織力を高め、経営戦略実現をサポートするための強力なツールとしての人事システムについて見ていくことにする。
2012/10/29掲載よくわかる講座

関連するQ&A

カーシェアの福利厚生での利用について
標記の件、カーシェアの福利厚生での利用を検討しております。 まず、平日に業務利用するため、法人としての利用契約を予定しております。 これを、休日にプライベートで社員が利用しようとする場合に、 下記5点質問させていただきたく宜しくお願いいたします。 福利厚生費として計上したいため、 ・役員、従業員...
フレックスタイム制度導入後の利用について
当社では3ヶ月清算のフレックスタイム制度導入を検討しております。 全社員適用とする予定ですが、この3ヶ月清算のフレックスを利用しないという選択も社員には出来るのでしょうか?というのも、今まで1ヶ月毎に支給が有った残業代が3ヶ月毎になることに反発が予想されるからです。 その場合、利用したい社員から何...
私用端末の業務利用について
社員が所有する私物端末(スマホ/タブレット)から、セキュリティが確保された環境でのメール閲覧を許可しようと考えています。 許可するにあたっては、利用規定に時間内で利用することルールとして明記し、時間外のメール閲覧行為をさせない、した場合でも役務とならないよう配慮したいのですが、文案の検討で悩んでいる...
新たに相談する
相談する(無料)

「人事のQ&A」で相談するには、『日本の人事部』会員への登録が必要です。

新規登録する(無料) 『日本の人事部』会員の方はこちら
業務に関するちょっとした疑問から重要な人事戦略まで、
お気軽にご相談ください。
各分野のプロフェッショナルが親切・丁寧にお答えします。

関連するキーワード

分類:[ 人事管理 ]
分類:[ 報酬 ]

注目のキーワード解説をメールマガジンでお届け。

Withコロナ時代は社内研修をオンライン化! 「よくわかる人事労務の法改正」ガイドブック無料ダウンロード

50音・英数字で用語を探す

注目コンテンツ

【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


大和証券キャピタル・マーケッツのグローバル人材戦略

大和証券キャピタル・マーケッツのグローバル人材戦略

大和証券キャピタル・マーケッツのグローバル人材戦略。アジアビジネスに打...