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【ヨミ】コウエキツウホウシャホゴホウ 公益通報者保護法

「公益通報者保護法」とは、事業者内部からの公益通報(いわゆる内部告発)を行った労働者を保護するための法律で、2004年6月に成立し、06年4月1日に施行されました。同法は、組織が内部告発者に対し、解雇や減給、その他不利益な取り扱いを与えることを禁止しています。労働法の一つと位置付けられ、保護対象となるのは労働者のみ。ただし現行法には罰則規定がないため、通報者の多くが組織から報復行為を受けるなど、不備を指摘する声も多く、法改正をめぐる議論が進められています。
(2016/4/26掲載)
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公益通報者保護法のケーススタディ

告発者の4割以上が報復行為を受けている
罰則なしで、訴えるだけ損な法律の不備

旧雪印食品の牛肉偽装事件、東京電力の原発トラブル隠し事件、三菱自動車のリコール隠し事件など、2000年代初頭に、国民生活の安心・安全を脅かすような企業不祥事が、相次いで明らかになりました。その契機となったのが企業内部からの公益通報、すなわち内部告発です。

企業不祥事による被害の拡大を防止するためには、通報行為自体が、正当な行為として認められ、企業による解雇などの不利益な取り扱いから守られていなければなりません。そこで、企業による法令違反行為を内部の労働者が通報した場合に、当該労働者を不利益な取り扱いから守ると同時に、企業のコンプライアンス経営を強化するために作られたのが「公益通報者保護法」です。同法の制定により、労働者が公益のために通報を行ったことを理由として、解雇など不利益な取り扱いを受けることがないよう、どこへ、どういう内容の通報を行えば保護されるのかという制度的なルールが明確化されました。

しかし勇気を出して不正を告発しても、報われるどころか、逆に報復攻撃を受けるケースも少なくないといいます。現在では年間約4000件もの内部告発が行われるようになりましたが、国の調査によると、そのうち4割超の人が解雇や嫌がらせなどの不利益を被っているのです。実際、こうした報復行為をめぐる労働紛争も絶えません。

原因は、「言うだけ無駄、訴えるだけ損」とまで言われる、公益通報者保護法の不備にあります。問題点は大きく三つ。一つ目は、保護の条件が労働者のみと限定的であることです。パワハラなどを受けて退職した後、告発を行った人に対して、行政が「告発時点で労働者ではない」という理由から、告発を受けつけなかった事例があります。二つ目は、報復行為への罰則がないこと。そして三つ目は、専門の行政機関がないことです。公益通報者保護法では、内部告発を行う窓口として、所属する組織の他に、行政機関と組織外部(報道機関等)も認めていますが、行政の場合、どこに通報すべき事案なのか、一般にはなかなか判断がつきません。一元的な窓口が設けられていないために、通報者が省庁間をたらい回しにされることが起こるのです。

先月、消費者庁の有識者検討会が、公益通報者保護制度の改正に向けた報告書をまとめました。告発・通報の受付窓口を消費者庁に一元化するとの方針は示されたものの、保護対象の拡大や罰則の導入については議論が尽くされず、結論は持ち越しとなっています。

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