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【ヨミ】ダブルケア ダブルケア

「ダブルケア」とは、子育てと親などの介護や世話を同時に行う必要がある状況を指す言葉で、深刻な社会問題に発展する可能性があると言われています。晩婚化・晩産化の影響で、結婚後、比較的早くから親の介護に携わり、それが子育てに忙しい時期と重なって、「ダブルケア」問題に直面する人が増えています。とくに共働きの世帯では、ワーキングマザーに過大な負担がかかりやすく、女性活躍推進の観点からも、職場や地域での支援が急務となっています。
(2016/1/12掲載)

ダブルケアのケーススタディ

子育てと介護の同時負担、働く女性にズシリ
晩婚化の影響で母親のおよそ4割が当事者に

日本の女性が初めて子どもを産む年齢(第一子出産年齢)は、加速的に“高齢化”しています。厚生労働省の人口動態統計によると、上昇の一途をたどる第一子出産年齢の全国平均は2011年から30歳代に入り、13年に30.4歳に達しました。1975年の25.7歳から比べると、この40年間で約5歳上昇しています。しかも80年代までは、第一子出産年齢が1歳上昇するのに10年以上かかっていましたが、最近は上昇の進行が速まり、ここ10年をみると、実に5年に1歳のペースで上がっています。

かつては多くの女性が20代半ばで第一子を出産。親や義理の親の介護が必要になる頃には、子育ては一段落していました。ところが晩婚化が進み、最初の子どもを産む年齢が遅くなっている分、子育てに手のかかる時期に親の介護が重なる「ダブルケア」の状況が起こりやすくなっているのです。

家族構造の変化やライフサイクルの問題に詳しく、「ダブルケア」という言葉の考案者でもある横浜国立大学の相馬直子准教授と英・ブリストル大学の山下順子講師が、全国の母親約1900名を対象に調査を行ったところ、「今後ダブルケアを抱える可能性がある」と答えた人まで含めると、6歳以下の子どもをもつ母親のおよそ4割が当事者になると見込まれており、その平均年齢は41歳でした。

晩婚化・晩産化・高齢化に加え、夫婦の兄弟の数は減少し続け、親戚のネットワークも希薄になっています。そうした家族構造の変化の中で、ダブルケアの負担を抱える世帯はますます増加していくと予想されていますが、現状では共働き夫婦であっても、その負担は依然として女性に偏りがちでしょう。日本では2000年代以降、介護保険制度、育児支援制度ともそれぞれの支援領域で拡充されてはきたものの、介護・子育ての縦割り行政のはざまで、ダブルケアに悩む人々、とりわけ女性たちが孤立や困難に陥っていると、相馬准教授らは指摘しています。育児と介護の悩みを同時に相談できる場や情報、支援制度などが少ないことから、精神的、体力的、経済的に追いつめられていく人も出てきているのです。

こうした問題点の指摘は、企業における女性活躍推進のあり方にも大きな示唆を与えてくれるのではないでしょうか。育児だけ、介護だけにとどまらない、包括的な視点からの両立支援の取り組みや制度設計が求められます。

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