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【ヨミ】ショウガイシャコヨウソクシンホウ 障害者雇用促進法

「障害者雇用促進法」とは、正式名称を「障害者の雇用の促進等に関する法律」と言い、障がい者の雇用義務に基づく雇用の促進などのための措置、職業リハビリテーションの措置などを通じて、障がい者の職業の安定を図ることを目的とする法律です。同法では、一定規模以上の企業に対し、法定雇用率とよばれる一定比率以上の割合で障がい者を雇用することが義務付けられています。現行の法定雇用率は2.2%。達成していないと、労働局などの指導対象となり、従業員100人超の企業については不足一人あたり月5万円の納付金が課せられる反面、達成していれば、超過一人あたり月2万7000円の調整金を受け取れます。同法は概ね5年ごとに見直され、一部改正が繰り返されてきました。18年4月からは身体・知的障がい者に加え、精神障がい者も雇用義務対象になっています。
(2015/12/14掲載、2019/2/19最終更新)

 

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障害者雇用促進法のケーススタディ

精神障がい者の雇用拡大
「抜けても回る」チームで働きやすい職場に

民間企業で働く障がい者は、2017年6月時点で前年を4.5%上回る49万5795人となり、 14年連続過去最多を更新したことが厚生労働省の調査で明らかになりました。実雇用率は前年より0.05ポイント高い1.97%。法律で義務付けられた法定雇用率2.0%(調査当時。現在は2.2%)を下回り、これを達成している企業は全体の50.0%にとどまっています。

障がい別の内訳を見ると、身体障がい者が前年に比べて1.8%増の33万3454人、知的障がい者が同7.2%増の11万2,293.5人。精神障がいの雇用者数は5万47.5人と最も少ないものの、増加幅では前年比19.1%増と最も大きく伸びています。

データが示すとおり、統合失調症やそううつ病など精神疾患を抱える障がい者を雇用する企業が増え始めています。その背景にあるのが「障害者雇用促進法」の改正です。18年4月から障がい者の雇用義務対象に精神障がい者も加えられ、法定雇用率のさらなる上昇が見込まれることから、採用を行う企業が増えたといわれています。

しかし、改正法の適用を見越したこうした動きに、NPO法人障がい者就業・雇用支援センター(東京・中央)の三浦真事務局長は「受け入れ体制が整わずに雇っている会社もあると思う。そこで失敗してトラウマになり、やはり精神障がい者の雇用はやめようとなるのがこわい」と警鐘を鳴らしています(日本経済新聞15年2月24日付)。たしかに、精神障がい者は症状の好不調の波によって仕事への意欲や集中力にムラが出やすく、身体・知的障がい者とは違う職場の準備、配慮も必要になってくるでしょう。まずは、受け入れに成功している企業の先進事例に学ぶことが大切です。

日本生命保険が設置した特定子会社で保険契約者の住所照会などの業務を受託しているニッセイ・ニュークリエーション(大阪市)では、障がいの種類によって仕事を区別せず、身体、知的、精神と多様な障がいがある従業員たちが一つのチームを組んで働く形で成果を上げています。2018年4月時点で、障がいがある従業員255人のうち精神障がい者は74人を占めています。

ベネッセグループの特例子会社であるベネッセビジネスメイト(多摩市)では、おもに説明資料のコピー製本や社内便の仕分け配送などを、精神障がい者が担当しますが、一つの作業を一人だけに任せず、縦割りに細分化し、複数の担当者を置くことで働きやすくしているのが特徴です。自分が抜けても仕事が回る体制や雰囲気になっていることが、精神障がいを抱える人のプレッシャーを軽減しています。

 

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