企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】リベラルアーツ リベラルアーツ

「リベラルアーツ」とは、人間性を豊かにはぐくむ幅広い知識や物事を深く専門的に追求する上で土台となる基礎的学問の総体、あるいはそれを身につけるための教育手法を指す言葉です。日本語では、一般に教養と訳されます。リベラルアーツの原義は“人を自由にする学問”。もともと古代ギリシアで奴隷と一線を画す市民を育成するための学問として発祥し、その後、言語系3学(文法・論理・修辞)と、数学系4学(算術・幾何・天文・音楽)から成る「自由7科」(セブンリベラルアーツ)として確立、普及しました。リベラルアーツは人としての根幹をつくる学びであり、近年は人材開発の一環として、とくにリーダー育成のための研修などに取り入れる企業が増えています。
(2015/1/8掲載)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

リベラルアーツのケーススタディ

グローバル人材に不可欠な人間力を磨く
経営・管理職の8割が学ぶ必要性を認識

古代ギリシアに起源をもつ「リベラルアーツ」の概念は中世のヨーロッパを経て、近代以降、アメリカに継承されました。アメリカには、リベラルアーツ教育に特化した「リベラルアーツ・カレッジ」とよばれる4年制大学があります。数千人程度の小規模校が多く、少人数制の授業によって基礎的な教養と論理的思考力を徹底して習得することに、重点を置いているのが特徴です。リベラルアーツ・カレッジの卒業者数はアメリカの大学卒業者全体の3%にすぎませんが、ある調査によると、全米の企業の最高経営責任者(CEO)の8%がリベラルアーツ・カレッジの出身者であり、アメリカ大統領に至っては、じつにその2割近くを輩出しているといいます。

リベラルアーツを身につけることが、グローバル人材や次世代リーダーに必須の条件であるという認識は、日本企業にも広がりつつあります。リクルートマネジメントソリューションズ組織行動研究所が2014年6月に実施した「経営職・管理職のリベラルアーツ実態調査」によると、従業員500名以上の企業に所属する部長以上の経営職・管理職で、リベラルアーツについて聞いたことがあるという人に、「経営職、管理職で成果をあげる上でリベラルアーツは必要か」を尋ねたところ、「必ず必要だと思う」(14.5%)、 「必要だと思う」(35.1%)、「どちらかといえば必要だと思う」(32.8%)をあわせて、全体の8割強が必要と答えています。

グローバル人材というと、「語学に堪能」「海外経験が豊富」などのイメージが先行しがちですが、多くのトップリーダーが異口同音に指摘するのは、最後にモノを言うのは、人柄も含めた本人の“人間力”だということでしょう。厳しいグローバル競争の現場では、会社の看板や組織の肩書よりも、ときには商品やサービスの品質よりも、一人のビジネスパーソンとしての“個”の資質が問われるからです。リベラルアーツはその個を確立するための教育として、いつの時代も重視されてきました。

また、リーダーであれば、チーム全体に進むべき方向性を明示し、その上で各メンバーとのコミュニケーションや、外部との交渉・折衝を円滑に進めなければなりません。そのためには、論理的な思考力や多様なものの考え方ができる客観性、視野の広さが必須だといわれます。こうした力は一朝一夕で身につくものではないでしょう。リベラルアーツを学ぶことが遠回りのように見えて、じつは最も近道なのかもしれません。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

あわせて読みたい

リーダーシップ・パイプライン
「リーダーシップ・パイプライン」とは、会社の変革・発展を導くリーダーを組織全体で体系的に育成しようとする考え方です。燃料がパイプラインを流れるように、ボトムからトップまで組織の各階層・世代間でとぎれることなく、連綿とリーダーを輩出するためのしくみづくりを指し、ゼネラル・エレクトリック(GE)をはじ...
ジュニアボード制
ジュニアボードとは、若手・中堅クラスの社員が企業経営の諸施策に関して具体的提言を行う“擬似役員会”のこと。柔軟で斬新な発想を取り入れて企業変革を促す、若手・中堅社員の経営中枢への参画意識を高める、意思決定の経験を通じて次世代リーダーの育成をはかる…などの目的で導入されるマネジメント手法です。
CLO
Chief Learning Officer。企業における「最高教育責任者」「最高人材育成責任者」です。

関連する記事

鈴木典比古さん: 就職率100%! 国際教養大学の教育プログラムに学ぶ、“全人力”を養う人材育成の極意とは
国際教養大学(秋田市)の教学理念はその名のとおり、「国際教養」。グローバルに通じる“個”を確立するために、対話を通じて全人力を養う、真のリベラルアーツ教育を実践しています。そのけん引役である鈴木典比古学長に、教育者としてはもちろん、専門の経営学者としての視点か...
2014/07/14掲載キーパーソンが語る“人と組織”
柳本直行さん 企業が勝ち残るための「経営品質」
業が長く存続し、発展していくためにはさまざまな要素が必要ですが、そのひとつに「経営品質」という考え方があります。社会経済生産性本部・経営品質推進部部長の柳本直行さんは「企業が勝ち残っていくために追求し続けなければならないもの」だといいます。ビジネス環境が大きく...
2007/03/12掲載キーパーソンが語る“人と組織”
人事マネジメント「解体新書」 第34回 人材育成の費用対効果(ROI)の測り方(前編) 教育の効果測定を出すことは、経営的には当たり前の行為である
厳しい経営環境の中、人事・教育部門には教育コストの抑制と、効果的な教育が求められている。しかし、「教育の費用対効果(ROI)は測ることができない」と、最初から諦めている人材育成担当者は少なくない。どうすれば教育のROIを測ることができるのか。その考え方と方法に...
2010/02/08掲載人事マネジメント解体新書

関連するキーワード

分類:[ 人材開発 ]
「エンゲージメント」を高めるためのポイントやソリューション

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

LINE採用コネクト 期間限定キャンペーン

50音・英数字で用語を探す

新着用語 一覧

注目コンテンツ


「エンゲージメント 」を高めるソリューション特集

「従業員エンゲージメント」を高めるために押さえておきたいポイントや具体的な施策、ソリューションをご紹介します。


【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


採用はダイレクト・ソーシングの時代へ。 求められるのは企業の「自社採用力」。

採用はダイレクト・ソーシングの時代へ。 求められるのは企業の「自社採用力」。

リーマンショックで冷え込んだ中途採用市場は、ここ数年で順調に回復し、完...