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【ヨミ】スキャンロンプラン スキャンロンプラン

「スキャンロンプラン」とは、企業の売上高の変動に応じて従業員の賃金総額を決定する、賃金総額管理の代表的な手法のひとつです。アメリカ鉄鋼労働組合のジョセフ・スキャンロン(J.S.Scanlon)によって提唱されました。スキャンロンプランでは、過去の実績に基づいて売上高に対する人件費の比率を固定し、この「標準人件費率」に当期の売上高を乗じて賃金総額を算出。算出額と実際に支払った賃金との差額を、賞与や生産奨励金などの形で従業員に分配する方式を取ります。そのため、日本では成果配分の考え方として広まり、主に賞与原資の決定に用いられてきました。
(2014/8/25掲載)

スキャンロンプランのケーススタディ

売上高を基準に業績を賃金に反映させるしくみ
標準人件費率の設定で労使協調を促すねらいも

円安基調の定着などで企業の業績が急回復したほか、現政権が経済界に業績改善を賃金上昇に結びつけるよう強く要請したこともあって、大手企業を中心に賃上げへの積極的な動きが広がっています。

経団連が公表した2014年春の労使交渉の最終集計によると、大手企業の定期昇給とベースアップ(ベア)をあわせた賃上げ率は2.28%と15年ぶりに2%を超え、引き上げ額は7000円台に乗りました。また、年間一時金の回復も著しく、日本経済新聞がまとめた14年の賃金動向調査(1次集計)では、年間一時金の税込支給額は6年ぶりに170万円台に達し、前年比7.69%の増加。調査開始の04年以降で最も高い伸び率となっています。物価上昇にともなう実質賃金の低下など、先行きの不安要素は拭えないものの、働く人への報酬が長く抑えられてきた日本経済に、過去にはなかった変化が起こっていることは間違いないでしょう。

業績の改善を賃金上昇に結びつけること自体は一般的な考え方として定着していますが、実際に賃金総額を決定するにあたって、業績を具体的な金額算定に反映させる手法なり、数式なりを制度として規定している企業はそう多くありません。企業業績の変動に応じて賃金を算出する場合、問題になるのは、“業績”の実態を示す数値としてどの経営指標を使うかということです。企業業績の基準には売上高や利益、付加価値などの指標が使われますが、そのうち売上高を基準にして従業員の賃金総額を管理する方法を「スキャンロンプラン」といいます。

スキャンロンプランは、自社の売上高に対する人件費の割合に一定の比率を設けるのが特徴。この比率を「標準人件費(労務費)率」と呼び、過去の売上高と人件費実績に基づいて労使間で設定します。生産性の向上などで売上高が予想より増加した場合は、その売上高に標準人件費率を乗じて算出した賃金総額と実際に支払った賃金との差異を、生産奨励金や業績賞与などの一時金として従業員に還元・分配するというのが、スキャンロンプランの基本的な考え方です。日本においては成果配分の手法として広まり、主に次の算式によって賞与原資の決定に用いられてきました。

 【賞与原資=(売上高×標準人件費率)-すでに支払った賃金総額】

人件費比率の設定を通じて労使協調や従業員の経営参画を促し、売上高増加分の還元もモチベーション向上に資するなど、スキャンロンプランのメリットは多いものの、一方で標準人件費率の設定合意が難しいことや、売上高を基準とするために従業員のコスト削減意欲を喚起しにくいなどの問題点も指摘され、近年、採用する企業は少なくなりました。それでも、今日の賃金総額管理や業績連動型賞与の考え方の基礎となったという意味で、この手法の果たした役割は決して小さくありません。

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