BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)
BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは?
業務プロセスの効率化、最適化を目的に、企業が社内の業務処理の一部を専門の事業者に外部委託(アウトソーシング)することを「ビジネス・プロセス・アウトソーシング」、略してBPOといいます。業務プロセスそのものの企画設計から必要なシステムの導入、人材や設備の準備、プロセスの運用までを一括して委託することで、委託側は限られた経営資源をコア業務に集中することができます。代表的なモデルとしてコールセンターやヘルプデスクサービスが挙げられます。
業務の効率化を進め、経営資源の集中を図る
派遣法改正がアウトソーシング活用の追い風に
労働力人口の減少に歯止めがかからないなか、人材不足への対応やコスト削減の推進のためだけでなく、同時にサービスレベルの向上やビジネスプロセスの革新を実現するソリューションとして、BPOを活用する企業が増えてきています。
従来はITアウトソーシング(ITO)と称して、業務に必要な情報システムの開発や運用管理の一部、あるいは全部を外部委託する形が一般的でした。しかし、業務を遂行する上で情報システムへの依存度が高い分野であればあるほど、IT設備の管理者とそのユーザーを一体のものとして考えたほうがより効果的、効率的なのは自明でしょう。そこで、社内業務そのものを、情報システムのマネジメントとともに外部に委託するBPOが登場したわけです。コールセンターサービスなどのアウトソーシングを手始めに、ITの利用拡大に伴って、従来は各企業のバックオフィスで行っていた会計処理、給与支払、福利厚生、不動産管理といった間接業務や、さらには保険会社の保険契約など特定の業務を情報システムといっしょに外部に切り出す動きが拡がっています。
欧米に比べると、日本企業によるBPOサービスの活用はまだ発展途上ですが、市場は拡大傾向にあります。IDC Japan 株式会社の調査によると、国内のBPOサービスは2010年に市場規模が1兆円を超える見込みです。
今後、こうした流れに拍車をかけそうなのが、現在、国会で審議中の労働者派遣法改正の動きです。厚生労働省が提出した改正案には、自由化業務の登録型派遣原則禁止などが盛り込まれ、成立すれば派遣規制の強化が進むことから、アウトソーシングサービスへの切り替え需要の活発化が予想されます。人材派遣・紹介業界でもこうした変化を見据え、大手のインテリジェンスがBPO事業を拡大。この3月に、バックオフィスの支援から、コールセンター業務、電話・訪問による営業活動の受託まで、幅広いサービスに対応するBPO専門の子会社「株式会社BPOソリューションズ」の設立を発表しました。
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