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【ヨミ】ティーガタジンザイ T型人材

「T型人材」とは、特定の分野を究め、その深い専門知識と経験・スキルの蓄積を自らの軸に据えつつ、さらにそれ以外の多様なジャンルについても幅広い知見を併せ持っている人材のことです。アルファベットのTの文字のタテ棒を専門性、ヨコの棒を視野の広さに見立てて、こう呼びます。
(2010/4/19掲載)

T型人材のケーススタディ

時代が求める人材像はI型からT型、Π型へ
異分野との融合が新しい価値を生み出す

得意分野をベースに周辺領域まで理解できるT型人材に対して、特定の領域に特化するスペシャリストは「I型人材」と呼ばれます。ビジネスの大規模化や多様化が進んだ結果、専門領域が細分化され、かつては企業でも研究開発やものづくりの現場を中心に、一芸に秀でたスペシャリスト=I型人材を重要視する風潮がありました。欧米追従型の研究開発が主流の時代にあって、それは必然でした。日本人の創造力はもっぱら、既存の技術の改良や製造手法の高度化、生産管理の洗練といった方向で発揮されたため、専門性をとことん深耕し、突き詰めるタイプの人材が求められたのです。

ところが21世紀を迎えると、グローバル競争をリードするフロントランナーとして、旧来の追従型とは異なる創造性の発揮が求められるようになりました。自ら新しい価値を生み出す――その役割を期待して打ち出されたのが、T型人材という人材像です。文部科学省の科学技術・学術審議会も、2002年夏に発表した『世界トップレベルの研究者の養成を目指して』と題する提言において「幅広い知識を基盤とした高い専門性」こそが、これからの時代の研究者に必要とされる「真の専門性」であると指摘しています。

では、なぜT型人材は創造性を発揮できるのでしょうか。かねてから「T型人間たれ」と提唱しているシャープの町田勝彦会長は、ある講演において、これからのものづくりに大切なのは技術の融合であり、それを実現するためにはT型人材の育成が不可欠だと指摘しています。「技術者は放っておくと、I型人間の集団になってしまう。会社は意図して、ローテーションや研修制度の導入を行っていく必要がある。Tの横に広がったノリシロの部分が他の人とくっつくことで、化学反応が起こり、新たな製品や技術を生み出せる」。

ものづくりの世界に限らず、ビジネスにイノベーションを起こすためには、異分野との融合によるシナジー効果やクロスファンクショナル(分野横断的)な発想が欠かせません。だからこそ、T型人材の必要性が広く論じられているのです。最近では、コア社員に求められる理想の人材像として、T型をさらに進化させた「Π(パイ)型人材」(複数の専門分野に精通し、かつ全体の調整もできる人材)にも注目が集まっています。

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