クローズ就労(クローズド就労)
クローズ就労(クローズド就労)とは?
「クローズ就労(クローズド就労)」とは、障害のある人が就職先に自身の障害を開示せずに働くこと。障害を開示して働く形態が「オープン就労」です。クローズ就労では、本人が障害を知られずに働けるため、周囲からの偏見にさらされづらくなりますが、一方で、必要な配慮を得られにくいというデメリットがあります。人事担当者は、従業員が活躍できるためのサポート体制を整備する上で、開示・非開示の選択について十分に理解し、本人の意向を尊重することが大切です。
障害を開示して働くか、開示せず働くか
クローズ就労のメリット・デメリットとは
「退職後に知ったのですが、Aさんは実は障害を抱えていたそうです。もっと早くわかっていれば配慮できたかもしれないのに……」
このような声を、人事担当者であれば一度は耳にしたことがあるかもしれません。クローズ就労とは、障害のある人が企業側に障害を開示せずに働くこと。障害のある人が、自身の障害について職場に開示する義務はありません。そのため発達障害や精神障害など見た目からはわかりづらい障害の場合、告知せずに働くという選択肢があるのです。
その人にいくら能力があっても、「障害」というラベルがつくと、先入観を持って見られることがあります。その結果、選考で不利になったり、出世コースに乗れなかったりするなど、障害を告知することによるデメリットは少なくありません。障害をオープンにしなければ、周囲に障害を意識されずに働くことができるので、仕事へのモチベーションも保ちやすくなるでしょう。
一方で、クローズ就労にはデメリットも存在します。障害特性によっては業務上のサポートが必要なケースもあるため、それを申告しないまま仕事を続けると、体調悪化やパフォーマンスの低下につながる恐れがあります。「なぜあの社員はミスが多いのか」などと言われて周囲との摩擦が起きると、休職や退職につながることもあるでしょう。
オープン就労を選んだ場合のメリットとして、当事者が支援を得られやすいこと、企業が助成金を得られることなどが挙げられます。障害者雇用枠を利用すれば法定雇用率のカウント対象になるため、企業にとっては制度面でのメリットを享受できる場合も。ただし前述の通り、周囲から「障害者枠だから」と先入観をもたれたり、本人が「特別扱いを受けている」と感じてしまったりと、新たなストレスが発生することもあります。
人事担当者としては、クローズ・オープンのどちらの働き方も理解し、それぞれのメリット・デメリットを踏まえて社内の環境整備を進めることが重要です。本人が障害を開示した場合のケアや、特性に合わせた柔軟な働き方の整備なども必要です。あわせて「障害の開示は本人の自由意思である」ことも忘れてはいけません。

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