高度人材ポイント制
高度人材ポイント制とは?
「高度人材ポイント制」とは、高度外国人材の受け入れを促進することを目的に、高度外国人材に対しポイント制を活用した出入国在留管理上の優遇措置を講じる制度のこと。高度外国人材とは、専門知識や高い技術を持った外国人材を指します。高度外国人材の日本での活動を「高度学術研究活動」「高度専門・技術活動」「高度経営・管理活動」に分類し、「学歴」「職歴」「年収」「国家資格」「日本語能力」などの項目ごとにポイントを設け、ポイントが合計70点を超える人は、高度外国人材としてさまざまな優遇措置を受けることができます。
さまざまな優遇措置を受けられる高度外国人材。
企業が雇用する際の注意点とは?
2012年から始まった高度人材ポイント制。出入国在留管理庁によると、2012年は約300人を高度外国人材として認定しましたが、2021年末までには約3万人へと拡大しており、2022年末までに4万人の認定を目指すとしています。
日本にいる在留外国人は、滞在にあたって「永住者」や「留学」など、29種類の在留資格のうちいずれかを持っています。その中でも、「技術・人文知識・国際業務」「特定活動(告示46号)」「高度専門職」といった在留資格が高度外国人材の雇用で活用されています。
対象となる人材のポイントが合計70点を超えると高度外国人材となり、「高度専門職1号」という在留資格を申請できます。そして「高度専門職1号」という在留資格を得てから3年以上日本で活動した人には、「高度専門職2号」という在留資格の変更が認められています。では、認定されるとどのような優遇措置を受けられるのでしょうか。
「高度専門職1号」の場合、受けられる優遇措置は次の通りです。
1. 複合的な在留活動の許容(通常は、与えられた在留資格の範囲内でしか活動できないが、活動内容を広げることができる)
2. 在留期間5年の付与
3. 永住許可要件の緩和(永住許可を受けるには、10年以上日本に住んでいることが要件だが、70点以上の高度外国人材なら3年間、80点以上なら1年間に緩和される)
4. 配偶者の就労
5. 一定の条件の下での親の帯同
6. 一定の条件の下での家事使用人の帯同
7. 入国・在留手続の優先処理
また、高度専門職2号の場合は、上記に加えて在留期間が無期限となります。
企業は高度外国人材を雇用することで、優秀な人材が確保できるほか、事業のグローバル化や組織のダイバーシティ推進につながります。しかし、高度外国人材を雇用する際は、募集時に業務内容を明確にする必要があり、総合職のように業務内容が広い職種には向いていません。
対象者が既に日本に在住している場合、在留資格の申請は本人が行いますが、企業側が準備すべき書類もあります。たとえば、在留資格を変更する際には、企業が雇用契約書や職歴を証明する書類を発行します。一方、対象者が海外にいる場合は、企業が代理人となり「在留資格認定証明書交付申請」を入国管理局に提出します。在留資格認定証明書が発行されると、その証明書を海外にいる本人に郵送し、在外公館でビザの手続きを行います。必要な手続きは人材によって異なるため、高度外国人材を迎える企業には柔軟な対応が求められます。
参考:高度人材ポイント制の認定件数(累計)の推移│出入国在留管理庁
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