タレント・アクイジション
タレント・アクイジションとは?
「タレント・アクイジション」とは、「タレント(Talent:才能がある人)」と「アクイジション(Acquisition:獲得)」を合わせた言葉で、優秀な人材を獲得するための活動を指します。「採用」や「リクルーティング」といった言葉との違いは、対象となる活動の範囲や人材獲得に対する姿勢。採用やリクルーティングは採用広報や選考といった局所的な活動を指すのに対して、タレント・アクイジションはタレント人材の分析や採用戦略立案、採用ブランディング、入社後のオンボーディグなど、より広範な活動を含みます。
「タレント」という概念はどこからきた?
変化しつつある採用のあり方
タレントといえば、最近は「タレント・マネジメント」という言葉が注目を集めています。タレント・マネジメントとは、従業員が持つタレント(才能や資質)やスキル、経験などの情報を、組織横断的な人員配置や人材開発の戦略立案に役立てること。日本では2010年ごろから注目されるようになりましたが、HR業界における「タレント」という概念はどこからきたのでしょうか。
タレントの初出は、90年代にさかのぼります。米国のマッキンゼー&カンパニーが1997年から2000年にかけて実施した調査結果をまとめた「The War for Talent」で、近い将来に起こる人材獲得・育成競争を予見したのが、タレントという概念が浸透する発端となりました。
「タレント」という概念が広まったことで、組織からみた人材の考え方に変化が現れました。人材は組織運営のための歯車ではなく、組織全体の財産であり、組織が成長していくために必要不可欠な存在だと考えるようになったのです。才能やスキルのある優秀な人材を採用し、パフォーマンスを上げてもらうため、組織はいかに社内環境を整え、人材獲得のための戦略を立案するのか。このような視点がこの数十年で育まれていきました。日本においても、「タレント・アクイジション部」を設置する企業が現れるなど、役割として徐々に浸透し始めています。
従来の採用活動との大きな違いは、企業が受け身で候補者の合否をジャッジするのではなく、タレント人材を採用するために「攻め」の姿勢が求められていること。待ちの姿勢では、優秀な人材を採用することは難しいでしょう。企業を取り巻く環境が急激に変化している今、採用のあり方が問われています。
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