ウィンザー効果
ウィンザー効果とは?
「ウィンザー効果」とは、発信者からの直接の情報よりも、利害関係のない第三者が発信する情報のほうが信頼性が増す心理的傾向のこと。アーリーン・ロマノネスの小説『伯爵夫人はスパイ』に登場するウィンザー伯爵夫人のセリフ「第三者の誉め言葉が、どんなときにも一番効果があるのよ」に由来すると言われています。口コミやSNSなどでは、間接的に知り得た情報に信憑性があるように感じる傾向があるため、ウィンザー効果はマーケティング領域でよく活用されています。
“誰が”言うかで信憑性が変わる?
日常生活に溢れるウィンザー効果
何かを買うときや選ぶとき、どのように情報収集をしていますか。例えば、宿泊施設を選ぶとき、公式サイトの情報だけで意思決定をする人は少ないでしょう。多くの人は口コミサイトを見たり地図アプリの評価を調べたりするのではないでしょうか。
自社のことを発信するときは「良い面」しか取り上げないだろう――消費者はそうしたフィルターを通して商品・サービスのPRを眺めています。テレビCMで芸能人がおいしそうに食べているのは、あくまで広告だからと捉えているかもしれません。そのためSNSなど、利害関係のないメディアで発信された情報のほうがリアルな情報のように感じられ、購買意欲に影響するのです。
昨今はウィンザー効果を意識したマーケティング手法が増加しています。例えば「〇〇部門 第1位!」などのフレーズで訴求する商品をよく目にします。ランキングやモニターアンケートといった手法を用いることで、第三者機関が質を担保していることをアピールできるからです。しかし、その効果を狙って、企業がアピールするのに都合の良い順位を収集する調査ビジネスも数多く存在しているため、注意が必要です。
採用活動においても同様のことが言えます。企業が「当社はいい会社です」と声高に叫んでも、候補者には「人材を採用することが目的だから、自社に都合のいいことを言って当然」というフィルターがかかっています。しかし、その企業と利害関係のない友人や先輩が「〇〇はいい会社」と言っていたとしたら、違って聞こえるでしょう。同じ情報でも誰が言うかによって、人が感じる信憑性は左右されるのです。
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