タフアサインメント
タフアサインメントとは?
「タフアサインメント」とは、メンバーが持つスキルや経験から見て、簡単には達成できないようなハードルの高い課題や仕事を割り当てることで、急速な成長を促す人材育成法のこと。「ストレッチアサイメント」とも呼ばれます。メンバーはチャレンジングな仕事に取り組むことにより、成長と自信を手にすることができます。しかし、「難しい仕事」が成長を促進することは事実でも、むやみに難題を押し付けることはタフアサインメントとはいいません。マネジャーは、メンバー一人ひとりの性格や資質を理解したうえで、効果的に成長できる機会を提供することが大切です。
ストレッチゾーンを見極め、
弱すぎず、強すぎないタフアサインメントを
これまでのキャリアを振り返ってみて、自分を最も成長させてくれた仕事は何でしたか。人によって答えはさまざまでしょうが、日々の定常業務より、チャレンジングだったプロジェクトを挙げる人が多いのではないでしょうか。
「コンフォートゾーン」という言葉があります。自己成長に関する概念ですが、安心感があり居心地の良さを感じる心理状態のことを指します。しかし、リラックスした状態はなかなか成長には直結しません。
コンフォートゾーンの外側にあるのが、未知の領域に対し、少し不安やストレスを感じる「ストレッチゾーン」です。はじめて会う人と仕事をしたり、大きなプロジェクトを任されたりする場合などが該当し、別名「ラーニングゾーン」とも呼ばれるほど、成長が期待できる領域です。さらに不安レベルが高くなると、「パニックゾーン」に入ってしまいます。パニックゾーンに長くいすぎると、負荷が強すぎることから、挫折したり自信を喪失したりしてしまいます。
そのため、メンバーにタフアサインメントを行う場合は、このレベル感をしっかりと見極めながらストレッチゾーンへと導くことが大切です。高すぎる目標や無理難題は、メンバーをパニックゾーンへと追いやることになり、成長につながるどころか、心身に悪影響を与える可能性もあります。
また、タフアサインメントを与えるならば、「メンバー本人がやってみる」ことを見守る姿勢が大切です。必死に取り組んでいる様子を見ると助け舟を出したくなるかもしれませんが、自ら答えを導き出すことでより大きな成長へとつながります。
その上でフィードバックの機会は頻繁に設け、メンバーからの質問はいつでも受け付けられる状態にしておくことが重要です。本人の成長の力を信じつつ、大事な局面では必ず相談に乗る。このバランス感覚が、タフアサインメントを行うマネジャーに求められる能力といえます。
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