インフォデミック
インフォデミックとは?
「インフォデミック」とは、「Information(情報)」と「Epidemic(疫病などの流行)」からなる造語で、特にインターネット上で真偽不明の情報やデマが広まり、現実社会に影響をおよぼす現象のことをいいます。
デマを否定する“善意”の積み重ねが
インフォデミックを引き起こすことも
インターネットの普及によって、mixiやFacebook、Twitterなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)が続々と登場。2007年には初代iPhoneが発売され、現在はスマートフォンが当たり前の存在になっています。2011年3月に東日本大震災が発生した際、スマートフォンは普及が進み始めているタイミングでした。スマートフォンや携帯電話を使った、人々のSNSへの投稿が被害状況の把握に役立った側面もあれば、デマや真偽不明の情報の拡散も問題視されました。
そして2020年。新型コロナウイルス感染症の感染拡大による先行きの不透明さや未知のウイルスへの恐怖から、私たちはマスメディアやSNSから流れる情報に敏感になっています。特に緊急事態宣言が発出された春ごろには、全国的にマスクが品薄になり、SNSでは「いずれはトイレットペーパーも品薄になる」という噂が流れました。
この噂は実際にはデマであり、インターネットやテレビなどのマスメディアの多くは、それを否定していました。しかし、実際に店頭から製品がなくなり始めると、人々は「買っておかなければ」という危機感にかられて購入に走るようになり、結果的に全国のドラッグストアやスーパーマーケットなどの店頭からトイレットペーパーや生理用品がなくなることになりました。正しい情報に接していたとしても、インフォデミックに加担してしまう可能性がある一例といえるでしょう。
災害や疫病流行といった有事の際に、インフォデミックは起きやすくなります。こうした傾向は世界的なもので、世界保健機関(WHO)も根拠のない情報を信じないよう注意を呼びかけています。
SNSがマスメディアと並ぶほどの影響力を持つようになったことで、事実に基づかないデマやフェイクニュースでも、容易に拡散されるようになりました。こうした情報で混乱を起こさないためにも、私たち一人ひとりが情報リテラシーを持つこと、また、企業やマスメディアは正しい情報発信を行い、人々の不安を取り除くようにすることが大切です。
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