企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】ホワイトカラーエグゼンプション ホワイトカラー・エグゼンプション 2005

アメリカの労働時間制度において、一定の要件(職種・職務や賃金水準)を満たすホワイトカラー労働者を労働時間規制の適用除外(exempt)とする制度。日本でも導入が検討されています。
(2005/12/26掲載)

ホワイトカラー・エグゼンプション 2005のケーススタディ

ホワイトカラーを労働時間規制の
適用から除外する制度

アメリカの公正労働基準法は法定労働時間を1週40時間と定めており、それを超えて労働者を使用する場合には、通常の1・5倍以上の割増賃金を支払うことを使用者に義務づけています。ただしコンピュータの関連専門職や外勤セールスマンなど特定の職種や職務で、一定の要件(俸給水準要件など)を満たしている労働者は規制から除外されており、週40時間を超えて働いても割増賃金はもらえません。業務の裁量性が高く、労働時間の長さと成果が必ずしも比例しないと見なされるからです。

雇用環境が急激に変化している日本においても、これまでの裁量労働制やフレックスタイム制などだけでは対応が不十分だとして、2004年3月、小泉内閣がホワイトカラーエグゼンプションの導入を決定しました。これを受けて2005年4月に厚生労働省の「今後の労働時間制度に関する研究会」が発足、2006年からは労働政策審議会で議論を深め、2007年をめどに労働基準法の改正案を国会に上程する予定です。

労働時間規制の緩和を主張してきた日本経団連も、2005年6月に「ホワイトカラーエグゼンプションに関する提言」を発表しました。それによると、現行の専門業務型裁量労働制で働いている者は、無条件でエグゼンプト(適用除外)とし、それ以外の業務についても、年収400万円以上であれば、法令で定めたり、労使協定を結ぶなどしてエグゼンプトに追加できるとしています。

これに対して、日本労働組合総連合会(連合)は「アメリカのエグゼンプション制度がそのまま日本に導入されれば、不払い残業が野放しになる」などと猛反発しています。また過労死弁護団連絡会議も「過労死が減らない状況にあるのに、逆に長時間労働を助長する制度は導入すべきでない」との反対声明を発表しました。昨今のホワイトカラーの多様な働き方に対応した、時間にとらわれない制度の整備は確かに必要ですが、その一方で労働者に過重労働を強いることにならないような配慮もすべきでしょう。

記事のオススメ、コメント投稿は会員登録が必要です

あわせて読みたい

裁量労働制
働き方改革の推進にともない、労働者が働く時間を柔軟に選べる職場環境の整備が望まれています。労働者のワーク・ライフ・バランスはもちろん、生産性向上や人件費の問題を考える必要性も生じています。こうしたなか注目されているのが「裁量労働制」です。裁量労働制は、労働者自身が業務効率化を図り、時間を有効活用でき...
変形労働時間制
変形労働時間制とは、時期や季節によって仕事量の差が著しい場合、従業員の労働時間を弾力的に設定できる制度。一定の期間について、週当たりの平均労働時間が労働基準法に基づく40時間以内であれば、特定の日・週で法定労働時間を超えても(1日10時間、1週52時間を上限とする)、使用者は残業代を支払わずに労働...
トータル人事制度
人事評価、目標管理、賃金・賞与、人材育成などの制度がトータルに連動した人事制度。年齢や勤続年数にとらわれず、高い成果や業績を上げた社員を高く評価するとともに、その結果を公平かつ適正に賃金などの処遇に反映させることで、社員のモチベーションに応えることを目的としています。

関連する記事

人事制度構築フロー
人事制度構築はどのような手順で行うのだろうか。ここでは、既存の企業が人事制度を新たに構築する際の一般的なフローを見ていく。
2013/04/26掲載よくわかる講座
人事制度とは
人事制度とは、広義には労務管理を含めた従業員の「処遇」に関するしくみ全般を指す。ここではその意義と運用のポイントについてまとめた。
2017/06/30掲載よくわかる講座
人事制度とは -意義・基本-
経営資源と言えば「ヒト・モノ・カネ」が挙げられるが、中でも重要なカギを握っているのはヒト、すなわち「人材」である。経営課題をつきつめていくと、最終的には「企業は人なり」という結論に到達する。「企業の競争力や価値を向上させる組織」や「従業員の意欲・能力を向上させ...
2013/04/26掲載よくわかる講座

関連するQ&A

専門業務型裁量労働制のみなし労働時間
専門業務型の裁量労働制の導入を検討していますが,みなし労働時間を1日ではなく,週40時間という風に協定することは可能でしょうか。
裁量労働制のみなし労働時間について
基本的な質問で恐縮です。 裁量労働制を導入した場合でも、みなし労働時間分を労働したと「みなす」だけであるから、みなし労働時間は、時間外労働の制限である「1か月45時間」「1年間360時間」ほかを超過しないように設定しなければならないとの認識で正しいでしょうか?
社員紹介制度の導入について
当社で社員紹介制度の導入を検討しておりますが、最近、コンプライアンスの関係から紹介制度を途中で打ち切った企業もあると聞いており、世間ではこの制度の受け止め方として慎重な動きになっているのでしょうか。
新たに相談する
相談する(無料)

「人事のQ&A」で相談するには、『日本の人事部』会員への登録が必要です。

新規登録する(無料) 『日本の人事部』会員の方はこちら
業務に関するちょっとした疑問から重要な人事戦略まで、
お気軽にご相談ください。
各分野のプロフェッショナルが親切・丁寧にお答えします。

関連するキーワード

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

産業カウンセラー養成講座 無料体験会開催

50音・英数字で用語を探す

注目コンテンツ

【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


イノベーションを生み出せるのは“現場”<br />
ICTによるスピーディーな個の連携が“最上のバーチャルチーム”を作り出す

イノベーションを生み出せるのは“現場”
ICTによるスピーディーな個の連携が“最上のバーチャルチーム”を作り出す

変化の激しい現在、企業には、市場の変化にスピーディーに対応したビジネス...


人事システムが人材マネジメントの基盤を作る! <br />
~常陽銀行の「POSITIVE」導入に見る、人材力「可視化」の狙い

人事システムが人材マネジメントの基盤を作る!
~常陽銀行の「POSITIVE」導入に見る、人材力「可視化」の狙い

地方の企業は厳しい経営環境にあります。地域経済をけん引する地方銀行では...