ソーシャルグッド
ソーシャルグッドとは?
「ソーシャルグッド」とは、社会へ良いインパクトを与える活動や製品、社会貢献度の高い活動を支援する姿勢を表す総称です。2010年代から頻繁に使われるようになった用語で、当初は特にマーケティングの文脈で言われることが一般的でした。SDGsやESG投資といったサステナビリティを追求する取り組みが国内でも浸透するにつれ、企業経営にもソーシャルグッドな視点が求められるようになってきています。
社会的な活動が“一部署”にとどまらず
“事業部”にまで拡大した企業も
経済活動と環境保全は相反するものなのでしょうか。かつて日本は、経済活動を優先したがために環境汚染をし、四大公害病を生み出しました。それらの負の歴史を教訓に問われ始めたのが、企業の社会的責任、いわゆる「CSR(Corporate Social Responsibility)」という考え方です。近年はCSRにとどまらず、事業そのものがソーシャルグッドな「CSV(Creating Shared Value)」という概念も生まれました。「社会」と「企業」が同じ方向を向くことが、競争優位性を高める手段の一つとして捉えられるようになってきています。
最近では、CSRやCSVに“本気で”取り組む企業が増えています。「無印良品」を展開する株式会社良品計画は、2018年2月に「ソーシャルグッド事業部」を立ち上げました。ソーシャルグッド事業部は二つの部門で構成されており、一つは「ローカルグッド」と呼ばれます。少子化・高齢化が進み国内マーケットが縮小していくなかで、地域の経済循環に貢献することを目標に掲げ、同社が受託して管理している複合施設で地元の生産者から野菜を仕入れたり、レストランのメニューに取り入れたりしているそうです。
もう一つは「スペースグッド」という部門。廃校や空き家を活用して地域のコミュニティスペースを作ることで、地域の人たちの交流を促しています。企業が地域の住民や自治体との関係性を深めることで、コミュニティと地域経済の両方を活性化させることができる。まさに「三方良し」の考え方です。
クラウドファンディング・プラットフォームの株式会社CAMPFIREでは、ソーシャルグッドな取り組みに特化したサービス「GoodMorning」を2019年4月に分社化する形で立ち上げました。社会問題と向き合う団体が必ず直面するのが資金問題。どれだけ社会的な活動であっても、継続できないことには事を成しえません。企業や団体だけでなく、個人レベルでもソーシャルグッドな取り組みを継続的に行えるよう、お金を集める仕組みが増えてきている一例です。
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