テンプテーション・バンドリング
テンプテーション・バンドリングとは?
「テンプテーション・バンドリング」とは、気が進まない行為と、娯楽や誘惑物などをセットにすることで、その行為へのモチベーションを高める方法のことをいいます。テンプテーション(temptation)とは「誘惑」を、バンドリング(bundling)は「まとめること」を指します。アメリカの経済行動学者Katherine Milkman氏が唱えた概念で、ゴールを達成した「後」ではなく、その行為に取り組んでいる「間」に娯楽を得られるルール設定となっているのが特徴です。
SNSや動画サイトの誘惑に打ち勝つ!
目標達成のためのルール設定
このタスクは必ず今日中にやらなければならないと分かっているのに、SNSを開いてしまったり、海外ドラマに見入ってしまったり。後々のことを考えると今やるべきなのに、人は面倒なことを後回しにしがちです。一度は気力で乗り切っても、継続することはそう簡単ではありません。
そこで提案されたのが「テンプテーション・バンドリング」。気が進まないことと自分が心ひかれるものをセットで条件付けすることで、やる気を高める方法です。例えば「お気に入りのテレビ番組を見たいなら、ジムでトレーニングしているときだけ観ることができる」というルールや、「大好きなビールを飲みたいなら、部屋を掃除しているときだけ飲むことができる」というルールがこれにあたります。こうしたルールを決めることによって通常より29~51%行動量が増える、といった調査データも出ています。
一方で、テンプテーション・バンドリングにも落とし穴があります。それは、ルール自体の拘束力が低く、習慣化させるには結局、意志の強さが必要になること。前回の行動から少し間が空いてしまったからと、うっかりジムに行かずにテレビ番組を見たり、掃除をせずにビールを飲んだりしてしまうと、せっかくのシステムが崩壊してしまいます。
成功させるポイントは、そのルールを習慣にすること。一度習慣化してしまえば、この方法はとても有効です。娯楽とセットにしていることで、気が進まなかった行動に対する心理的ハードルが減り、行動する前にわざわざ気持ちを奮い立たせることなく動けるようになります。また、テンプテーション・バンドリングを活用することで「重要性は高いが緊急性が低い」タスクに取り組めるようになり、有意義な生活を送れるようになるのです。
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