「シン・人事の大研究」調査レポート【第1回】
人事部門は本当に「保守的で現場のことをわかっていない」のか?
人事パーソンは何を学び、どんなキャリアを描いているのか。自身をどう評価し、どのように変わろうとしているのか――。立教大学 田中聡氏・中原淳氏と『日本の人事部』編集部による「シン・人事の大研究」の調査結果を基に、人事パーソンの実態を明らかにしていきます。
人事部のイメージ第1位はズバリ…「保守的」
人事パーソンに「社内の他部門と比較して、人事部門はどのようなイメージに近いのか」を聞いたところ、上位項目は「保守的である」(44.1%)、「信頼性がある」(33.5%)、「新しいことにチャレンジしている」(29.2%)、「近寄り難い」(26.6%)、「地味で印象が薄い」(25.9%)という結果になりました。人事パーソンの多くは、自分たちのイメージを「保守的」だと考えていることがわかります。
「人事は現場のことをよく分かってない説」は本当か…?
次に「人事部門が、社内の他部門からどのように思われていると思うか」を聞いたところ、「現場のことをよく分かっていない部門だと思われている」(69.1%)、「取り組みに対して、否定的な意見を受けることがよくある」(60.7%)、「何を考えているのかよくわからない存在だと思われている」(52.0%)という結果になりました。
他部門からは、「人事部門は保守的で、現場のことをわかっていない」と見られていると感じている人事パーソンは多いようです。
人事パーソン自身は自分のことをどう捉えている?
では、人事パーソン自身は人事部のことをどう捉えているのでしょうか。ビッグファイブ(7点満点のスコア平均)でスコアを付けてもらったところ、経験開放性(新しいことが好きな性格)が5.33ともっとも高くなりました。誠実性(しっかりしていて、自分に優しい性格)は4.78で、『保守的な人が多い』という仮説は必ずしも支持されない結果となっています。
第2回のレポートでは「人事パーソンは人事の仕事に就くまでに、どんなキャリアを歩んできたのか」を報告します。お楽しみに!
実施時期 | 2022年2月1日(火)~ 2月28日(月) |
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調査対象 | 企業で人事関連の仕事(人事、人材開発、組織開発など)に従事している方 ※「人事関連の仕事」とは、ご自身が所属する組織の「人と組織にまつわる業務全般」を指します。所属部署が本社人事部であるか事業部であるかは問いません。採用支援や人事コンサルティングなど、人事担当者に対してサービスを提供する企業に従事されている方は該当しません。 |
調査方法 | Webでのアンケート |
回答者数 | 1,514名 |
全国の人事パーソンを対象に行った大規模調査の結果から、人事パーソンの実状を明らかにしていきます。