[基調テーマ]三菱総合研究所が考える、新時代に求められる従業員エンゲージメントの在り方

雇用・労働・人材育成政策に関する調査研究や、組織・人材領域のコンサルティングを数多く手掛けている三菱総合研究所と、約2,000社の人事給与アウトソーシングを手掛け、デジタルを活用した人事部門の業務効率化に携わってきた三菱総研ＤＣＳが共同で「三菱総合研究所が考える、新時代に求められる「エンゲージメント」の在り方」をテーマにいま企業がすべき事を読み解いていきます。

近年、有価証券報告書に「人材」に関する情報の記載を義務付けるなど、いわゆる人的資本開示の動きが加速しています。企業にとっては、開示の手間が増える反面、長期的な成長が見込める企業を探す投資家や、働きやすい魅力的な環境を求める労働者にアピールするまたとないチャンスとも言えます。「義務だから情報を開示する」「開示義務がないから対策をしない」ではなく、開示義務化を契機に自社の人的資本を再考する積極的な取組みが求められています。
そんな中、人的資本経営の実践方法を示した「人材版伊藤レポート2.0」で重要な要素とされた「エンゲージメント」に脚光が当たっています。「エンゲージメント」の向上によって、企業の持続的成長や生産性の向上につなげられると言われています。しかしながら、「エンゲージメント」には様々な定義があり、何を重視するかによって、その示す内容や向上による成果が異なります。また、多くの企業から「従業員意識調査はしているけれど、エンゲージメント向上に繋げられていない」といった声を聞きます。

今こそ、日本企業は、エンゲージメントとは何か、その向上のため何をすべきか、改めて捉え直すべきタイミングだと、我々は考えています。今回は未来共創に向けた社会貢献を掲げる三菱総合研究所と、約2000社の人事組織に対する改革や業務効率化を手掛ける三菱総研ＤＣＳそれぞれの目線から、従業員の「エンゲージメント」の向上と、それを実現するために必要な事は何か？を読み解いていきます。