ジェンダーギャップ指数
ジェンダーギャップ指数とは?
「ジェンダーギャップ指数(Gender Gap Index:GGI)」とは、世界経済フォーラム(World Economic Forum)が『世界男女格差報告書』において2005年から毎年発表している、社会進出における各国の男女格差の度合いを示す指標。0を完全不平等、1を完全平等とし、経済活動の参加と機会、教育の到達度、健康と寿命、政治への関与の4分野における男女格差を数値化・ランク付けしたものです。
2017年のランキングでは、日本は144ヵ国中114位
「国会議員の男女比」など政治参画が課題
世界経済フォーラムが発表した2017年版の「ジェンダーギャップ指数」の報告書において、日本は世界144ヵ国中114位となり、過去最低を記録した2016年の111位より、さらに順位を落としました。分野ごとの評価の内訳を見ると、経済分野の「幹部・管理職での男女比」は0.142(世界平均:0.320)で116位、政治分野の「国会議員の男女比」が0.102(世界平均:0.279)で129位と、特に低いことが分かります。一方、教育分野と健康分野では男女格差がほとんど見られず、なかでも健康分野の「出生時の男女比率」と「平均寿命」は、いずれも1位でした。
男女格差が少ないとされる総合1位から5位には、アイスランド、ノルウェー、フィンランド、ルワンダ、スウェーデンがランクイン。上位の北欧諸国は、評価得点に差のつきやすい「政治への関与」において、特に高いスコアを記録しています。なかでも、9年連続首位のアイスランドは、日本では格差が顕著となった「国会議員の男女比」が0.909と、男性とほとんど同じレベルで女性も政治に進出しているようです。
しかし、この結果のみで「日本では女性が迫害されている」と判断するのは待った方がよいかもしれません。「ジェンダーギャップ指数(GGI)」には、国の発展レベルによる差は考慮されておらず、純粋に“男女格差のみ”を測っている調査です。極端な例ですが、大学進学率が男性90%・女性85%の国より、男女ともに0%の国の方が、男女差がないとして上位にランクインされるのです。
男女間の格差を測る国際的指標には、このほかに国連開発計画(UNDP)が発表する「ジェンダー不平等指数(Gender Inequality Index:GII)」があります。GIIは保健分野、エンパワーメント、労働市場の3分野から構成され、国の発展度合いも加味されるもの。こちらの2015年の調査では、日本は159ヵ国中21位であり、調査分野や項目により結果には大きな違いがみられることが分かります。
しかし、GGIでもGIIでも、女性議員や女性管理職・経営者の少なさが日本のランキングを下げていることは変わりません。順位だけを見るのではなく、それぞれのランキングにおいて、他の先進国とどのような項目で異なるのかを見ること。女性活躍推進法を形骸化させないためには、政治や経営分野での女性進出を阻む本質的な要因に目を向けていく必要がありそうです。
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