企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】ヤクショクジョレツ 役職序列

会社組織における役職は、事業活動に関する相応の責任と職権を伴う役目や職務のこと。代表取締役社長や専務取締役、本部長、部長など、各企業には組織の規模や形態に応じてさまざまな役職があり、その序列や企業内での位置づけを「役職序列」といいます。役職序列は、責任の所在を明らかにするとともに、企業の意思決定や指揮命令を円滑に進めるためのルールとして欠かせません。
(2015/5/8掲載)
 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

役職序列のケーススタディ

「専務」も「常務」も法的根拠のない肩書
序列重視の順送り人事では世界で戦えない

株式会社には、法律に則って必ず設置しなければならない役職があります。その一つが取締役――一般に“役員”と呼ばれ、組織の最高意思決定機関である取締役会を構成する経営陣です。この取締役の中で最上位に序列され、会社の代表としての責任を担う役職を、代表取締役といいます。代表取締役は一人とはかぎらず、二人以上いる会社もあります。代表取締役と取締役は経営陣であり、従業員ではありません。かつては従業員だった人もいったん退職した上で、経営を担う取締役になる。これが商法上のルールです。

法律により企業が設置を定められている役職は、取締役と代表取締役、それに監査役を加えた3種類だけ。他のさまざまな役職、たとえば聞き慣れた「会長」「専務」「常務」「部長」「課長」などは、実は各企業の裁量において自由に設置・呼称される役職で、いずれも商法上は何の規定もありません。役割分担と序列づけのために必要な“肩書き”なのです。一般に、取締役の中での「役職序列」は以下のようになります。

1.会長(取締役会の議長であることが多い。多くは前社長が就任)
2.社長(代表取締役であることが多い。会社組織のトップ)
3.副社長(現場のナンバー2であり、社長直下の役職)
4.専務(社長を補佐して業務全般を管理する役員、常務より上位に置く企業が多い)
5.常務(社長を補佐する役員)
6.取締役(専務、常務などの肩書がつかない取締役、「ヒラ取り」と呼ばれる)

ちなみに、近年多くの企業に広がっている「執行役員」という役職は、役員待遇ですが、経営の意思決定を担う取締役ではありません。従業員の身分でありながら、役員になれるのが執行役員なのです。役職序列としては、役員の末席、取締役の一歩手前といったイメージでしょう。先ごろ、日本の代表的なリーディング・カンパニーで、いわゆる“ごぼう抜き”のトップ人事が相次ぎ、大きな話題となりました。三井物産の新社長の安永竜夫氏が32人抜き、デンソーの有馬浩二氏、富士通の田中達也氏は14人抜き、ホンダの八郷隆弘氏は9人抜きと、上位の役員を大きく飛び越しての抜擢となったわけですが、ごぼう抜きの人数以上に注目されたのが、いずれのケースも執行役員からの昇進だったことです。

先述のとおり、取締役と執行役員の間には、同じ役員でも厳然とした“壁”があります。それだけに、数多くの役員を抱える大手企業で、取締役を経験しないまま、トップに就くのは異例中の異例。従来の役職序列に則った順送りの人事では、世界と戦えるリーダーは育たない、という危機感が働いたといわれています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

あわせて読みたい

善管注意義務
会社法上、株式会社の取締役は会社から経営の委任を受けている立場にあると考えられ、取締役と会社との関係には、民法の委任に関する規定が適用されます(会社法330条)。そのため、取締役は「受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う」(民法644条)ことを求められま...
役職定年制
役職定年制とは、役職者が一定年齢に達したら管理職ポストをはずれ、専門職などに異動する制度。人事の新陳代謝を促し、組織の活性化や若手の育成、モチベーションの向上を図るとともに、年功序列制度のもとでは人件費コストの増加を抑えるねらいもあります。
CLO
Chief Learning Officer。企業における「最高教育責任者」「最高人材育成責任者」です。

関連する記事

社長の日当は? 課長の宿泊料は? 「出張」旅費の最新実態を探る
企業の国内出張旅費の実態はどうなっているのでしょうか? 経営トップから一般社員まで役職別の支給水準や新幹線「のぞみ」の利用の認否状況について、労務行政研究所の調査結果をもとに探ってみます。
2004/12/20掲載人事・労務実態調査
常勤役員の報酬・賞与等の最新実態――年間報酬の額、賞与の割合など
成果主義やコーポレートガバナンスの高まりの中、役員報酬の業績への連動や退職慰労金の廃止など、役員の報酬制度に関する見直し・再構築の動きが急速に進んでいます。こうした中、労務行政研究所では「役員の報酬・賞与、退職慰労金などに関する調査」を実施しました。本調査は1...
2008/08/08掲載人事・労務実態調査
2016年「ホワイト企業」認定がスタート! 日本次世代企業普及機構(JWS)が取り組む、次世代に残したい良い会社の基準とは?
一般財団法人日本次世代企業普及機構(Japan White Spread:以下、JWS)は、将来性やビジョン、働きがいといった要素において、これからの時代に残すべき素晴らしい中堅中小企業を発掘し、「ホワイト企業」として認定・表彰を行うことを目的に誕生しました。...
2016/02/10掲載注目の記事

関連するQ&A

役職と職位
役職と職位の定義を教えてください。
取締役相談役の扱いについて
当社では、代表取締役2名(社長非常勤、専務常勤)および取締役常務1、平取締役3名のほか、取締役相談役で役員構成となっています。 取締役会において、役員の順序を決める際、取締役相談役について、序列を決める必要があるのでしょうか?ご教示願えれば幸いです。なお、登記上は取締役として登記されています。
取締役の兼任について
取締役は兼任に制限があると思いますが、親会社の専務取締役が子会社の取締役会長もしくは代表取締役会長になることは何かに抵触するのでしょうか?宜しくお願いします。
新たに相談する
相談する(無料)

「人事のQ&A」で相談するには、『日本の人事部』会員への登録が必要です。

新規登録する(無料) 『日本の人事部』会員の方はこちら
業務に関するちょっとした疑問から重要な人事戦略まで、
お気軽にご相談ください。
各分野のプロフェッショナルが親切・丁寧にお答えします。

関連するキーワード

分類:[ 人事管理 ]
分類:[ 人事制度 ]
テレワーク特集

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

タレントパレット 3,650社が活用!業界唯一の統合型eラーニング

50音・英数字で用語を探す

新着用語 一覧

注目コンテンツ


テレワーク特集

「テレワーク」のメリット・デメリットを整理するとともに、導入プロセスや環境整備に必要となるシステム・ツール、ソリューションをご紹介します。


【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


会社の新しい挑戦を支えるために<br />
人事戦略のよりどころとなる総合的な人材データベースを構築

会社の新しい挑戦を支えるために
人事戦略のよりどころとなる総合的な人材データベースを構築

第一三共株式会社は2025年ビジョン「がんに強みを持つ先進的グルーバル...


「見える化」による効果検証で テレワーク導入をスムーズに実現<br />
西部ガスが取り組む“業務・ワークスタイル改革”とは

「見える化」による効果検証で テレワーク導入をスムーズに実現
西部ガスが取り組む“業務・ワークスタイル改革”とは

福岡市に本社を構える西部ガス株式会社は、「働き方改革」の一環としてテレ...