企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】ジンカツシエンサービス 人活支援サービス

「人活支援サービス」とは、豊かなスキルと経験を有するミドル人材を成熟産業から成長産業へ円滑に移動させる“橋渡し役”となる人材サービスのことです。経済産業省は人活支援サービスを提供する新たな産業の振興を目指して、今年度から「多様な『人活』支援サービス創出事業」をスタート。同省から委託を受けた人材サービス各社がミドル層を成長分野で戦力化するしくみを動かし、その有効性を実証する試みが始まっています。
(2013/9/9掲載)

人活支援サービスのケーススタディ

ミドルを再教育し成長分野で戦力化
新しい人材の橋渡しビジネスに期待

社会・経済環境の変化を背景に、国内産業の大胆な構造転換が急がれていますが、経済成長や雇用の確保を図りながらこれを実現するためには、豊かな経験知をもつミドル層が成熟分野から成長分野へ“即戦力”として円滑に移動し、活躍するしくみづくりが不可欠です。2013年6月に発表されたアベノミクスの“第三の矢”を担う「日本再興戦略」においても、「行き過ぎた雇用維持型から労働移動支援型への政策転換」の方針が明確に掲げられました。

しかしながらミドル層(35~44歳)の転職率は他の年代に比べて低く、4%程度で推移しているにすぎません。まして有望分野や成長分野への移動となると、成功の前例が乏しく、新規産業の人材ニーズが的確につかめていないなど障壁が多いことから、既存の人材ビジネスではこうした新たな人材の橋渡し役を果たせていないのが現状です。そこで経済産業省は、すでに就業経験を積んだミドル人材を再教育し、健康や教育、環境・エネルギーなどの成長分野で活躍できるようにする「人活支援サービス」の創出・振興事業を立ち上げました。新たな労働移動の流れを促すモデルをつくり、その有効性を実証・普及することで、人を活かす「人活」産業の創出・振興を図るのがねらいです。

サービスの担い手は委託先の民間企業8社。その一つのインテリジェンスでは、電機や化学などの成熟産業で経験を積んだミドル人材が現職に在籍したまま、「出向」の形態で成長分野に挑戦するプロジェクトの実現に向けて、7月から出向元となる協力企業の募集を始めています。協力企業から送り出された参加者は再教育のための「学び直しカリキュラム」を受講し、業種や職種の垣根を越えて通用する「ポータブルスキル」を高めます。その上で成長分野での活躍に必要な専門知識を習得し、出向先の現場での就業体験に臨みます。研修終了後は、カウンセリングを受けて進路を決定。出向先での継続就業や転籍のほか、出向元への帰任という選択肢もあります。

人材派遣大手のパソナとグループ会社のパソナテックも委託先の一つ。主に製造業やIT企業に在籍するシニア・ミドル人材の豊富な知識やスキル、海外事業に携わった経験などを転用し、成長分野を担う中小・ベンチャー企業の新たなサービス創造や海外事業の拡大を支援するプロジェクトに取り組んでいます。

新しい市場を切り拓いていくためには若年者の育成・入職支援も重要であることは言うまでもありませんが、一方で少子高齢化によって日本の労働者の年齢構成比率が変動し、00年に22%超だった25~34歳人口は20年には16.8%にまで低下するという現実があります。即戦力となるミドル層の労働移動は、喫緊の課題といえるでしょう。

記事のオススメ、コメント投稿は会員登録が必要です

あわせて読みたい

出向
「出向(在籍出向)」とは、一般的には企業が社員との雇用契約を維持したまま、業務命令によって社員を子会社や関連会社に異動させ、就労させることを指します。出向の場合、対象となる社員の籍と給与の支払い義務は出向元企業にあり、社員に対する業務上の指揮命令権は出向先の企業が有します。人事異動の形態としては、企...
出向起業
「出向起業」とは、大企業などに所属している人材が、辞職せずに自ら起業したり、スタートアップ企業に出向したりすることによって、フルタイムで新規事業創出に向けた実務に従事すること。経済産業省が出向起業を支援する補助金制度「大企業人材等新規事業創造支援事業費補助金」を新設したことで、注目を集めています。同...
エンプロイメンタビリティ
「エンプロイメンタビリティ」(employmentability)とは、「企業の雇用能力」を意味する用語です。雇用される側からみて魅力的な企業か、継続的に雇用されたいかといった価値に関する概念で、雇用主としての能力や優秀な人材をひきつける吸引力を表します。単に高報酬を保障できればいいということでは...

関連する記事

外国人を雇用している企業は過半数、「さらに増やす」「今後雇用する」企業も半数近くに
人事担当者に外国人の雇用状況について聞いたところ、現在雇用している企業は過半数で、「さらに増やす」「今後雇用する」企業も半数近くであることがわかった。
2019/08/20掲載人事白書 調査レポート
人材紹介とは
「人材紹介とは、人材採用を行う企業に対して、条件にあった候補者を紹介する採用支援サービスだ。人材紹介会社は、厚生労働省から許認可を受けた民間企業で、求人企業からの紹介料で運営される。そのため、正式には「有料職業紹介事業」となるが、一般的には「人材紹介」という表...
2012/10/07掲載よくわかる講座
人事マネジメント「解体新書」第89回 長期的観点から再考する「コア人材」の採用と育成【前編】
企業間競争が激しさを増す中、企業には自社固有の経験と高い能力を持った人材、いわゆる「コア人材」の確保・育成が求められている。実際、さまざまな企業がそのために施策に取り組んでいるが、早期登用や外部採用などではなく、長期雇用を前提としたコア人材の確保・育成や、キャ...
2015/12/07掲載人事マネジメント解体新書

関連するQ&A

転籍出向者の出向について
弊社の子会社に転籍出向させている者を、得意先に対して出向させる(二重出向)ことの是非についてご教示願います。 出向契約は、弊社子会社と出向先会社となります。
出向者が一定期間 出向元で働かいていたときの労災は?
出向元から、出向者を一定期間 出向元で働かせたい。 その時に、労災が発生したらどうなりますか? また、出向料の扱いはどうなりますか?
出向に関する注意事項
出向契約をする際、通常、出向元の会社が出向者へ給料を支払い、出向先より出向元の会社へ 出向料を支払いますが、この出向料を支払わない場合、法律上、問題はありますでしょうか?
新たに相談する
相談する(無料)

「人事のQ&A」で相談するには、『日本の人事部』会員への登録が必要です。

新規登録する(無料) 『日本の人事部』会員の方はこちら
業務に関するちょっとした疑問から重要な人事戦略まで、
お気軽にご相談ください。
各分野のプロフェッショナルが親切・丁寧にお答えします。

関連するキーワード

分類:[ 採用 ]
分類:[ 雇用 ]

注目のキーワード解説をメールマガジンでお届け。

仕事と家庭(育児・介護)』の両立支援 タレントパレット 「よくわかる人事労務の法改正」ガイドブック無料ダウンロード

50音・英数字で用語を探す

注目コンテンツ

【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


「入社前に、“ストレス耐性”を確認したい」<br />
――辞めない人材を採用する、科学的な採用手法とは

「入社前に、“ストレス耐性”を確認したい」
――辞めない人材を採用する、科学的な採用手法とは

能力が高くても、ストレスにうまく対応できなければ思うような成果をあげる...