ソーシャルメディア
ソーシャルメディアとは?
ソーシャルメディアとは、ブログやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)、Twitterなど、ユーザーの参加によってコミュニケーションが飛躍的に広がっていく、オンライン上のインタラクティブ(双方向)なサービスの総称です。個人の発信する情報が不特定多数のユーザーに公開され、閲覧したユーザーはレスポンスを返すことができるなど、コミュニケーションを促す機能が用意され、ユーザーが互いの関係を視覚的に把握できるのが特徴。一般には、ブログやTwitter、動画共有サイトなどの閲覧者を制限しないオープンなサービスと、会員制・招待制のSNSに分けられます。
採用戦略にSNSやTwitterを導入
就職難・人材難の現状を打ち破れるか
2006年、アメリカの『TIME』誌は年間で最も活躍した“Person of the Year”(今年の人)”に、著名なビジネスパーソンや政治家ではなく、“YOU”(あなた)を選びました。「あなた」とは、オンラインでつながっている世界中のユーザー一人ひとりのこと。不特定多数のユーザーの情報発信とコミュニケーションによる影響力の強さは、特定のリーダーのそれをはるかに凌ぐと認められたのです。この頃から、ソーシャルメディアがユーザーの生活に普及しはじめ、企業にとっても商品PRやブランド構築に欠かせない情報インフラになったと言われています。
ソーシャルメディアは短期間での認知向上よりも、中長期でのユーザーとの関係構築に向いています。編集権をユーザーに委ねていることが多く、コミュニケーションのコントロールは困難ですが、その分ユーザーの本音や真意を掘り起こせるメリットもあります。日本でも昨年あたりからこうしたソーシャルメディアの特性に注目して、ブログ型の採用サイトやTwitter、SNSなどを人材採用戦略に積極活用する企業が増えてきました。
サイバーエージェントは11年度中途採用および12年度新卒採用に向けて、5億人が利用する世界最大のSNS、フェイスブックを取り入れた採用活動を本格化しています。これは、日本語版フェイスブックに採用活動専用サイトを開き、ユーザー限定の就職イベントを催すなどしてフェイスブック経由の採用を実施するもの。SNSは就活の情報交換の場としても利用が増えています。そのため、同社ではフェイスブックを活用し、全国各地から有能な人材を効率的に集め、確保することをねらいとしています。同社は、12年度の新卒採用で予定している160人のうち10人を、11年度の中途採用でも10人を“フェイスブック枠”に設定しています。アイティメディア(ITmedia)でも、11年度新卒採用においてソーシャルメディアをフル活用。近年の採用戦略では常識とされていた、リクナビ、マイナビなどの“就活ナビ”で学生を大量に集めて絞り込んでいくという手法を使わなくても、予想以上に費用対効果の高い採用活動ができたといいます。
もっとも全体から見れば、こうした企業はまだ一部に過ぎません。ソフトバンク・ヒューマンキャピタルが10年夏に発表した「採用担当者の意識調査」でも、採用活動にTwitterを活用しているかを聞いたところ、利用している企業は2.8%に過ぎませんでした。ただし「使いたい」と考えている採用担当者は2割近くにのぼり、企業の採用に関する取り組み状況をみると、採用そのものに積極的な企業ほどTwitterの利用にも前向きであることがわかりました。その理由として、「通常の採用活動よりもコストがかからない」「応募数を増やしたい」「Twitterの発言から応募者の思考や性格を知るため」などが上位に挙げられています。
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