【ヨミ】インストラクショナルデザイン インストラクショナルデザイン

「インストラクショナルデザイン」(Instructional Design、以下ID)とは、それぞれの環境において、最も効果的かつ効率的な教育を設計・開発するための方法論です。元来は米軍の新兵教育手法の研究成果として発表されたものですが、その後、経営学や教育工学、システム工学など学際的分野で研究が進み、米国では1980年代から企業内教育に広く導入されています。
(2010/9/17掲載)

インストラクショナルデザインのケーススタディ

教育研修を成果に結びつける方法論
「問題の分析」と「ゴールの明確化」がポイント

国内でも、講師が介在しない「eラーニング」の普及に伴って、指導内容の学習効果を確保する必要性から、企業の人事担当者や教育サービス事業者を中心に、IDへの注目が高まっています。すでに日本マクドナルドが2000年ごろから採用し、顧客満足の向上やアルバイト従業員の離職率の改善に効果を上げているほか、キヤノンでもeラーニングのコンテンツ開発にIDを積極活用するなど、導入事例も着実に増えています。

集合研修であれ、eラーニングであれ、企業内の教育が企業の活動、つまり経営活動の一環であることは言うまでもないでしょう。経営活動である以上、それは成果を生み出し、企業経営に寄与するものでなければなりません。いいかえれば、受講者から「わかりやすかった」「教材や教え方に満足した」と褒められる研修が、必ずしもいい研修ではないということです。教育に対する評価は、教室の中やパソコンの画面上だけで判断してはいけません。では、業績向上につながる集合研修や、経営に貢献するeラーニングコンテンツをつくるにはどうすればいいか――。そのための方法論こそがIDなのです。

IDでは、教材・研修を開発する際の具体的な手順のことをインストラクショナルデザインプロセスといい、その代表的な理論に「ADDIEプロセス」があります。AはAnalyze(分析)、Dは Design(設計)、次のDはDevelopment(開発)、IはImplementation(実施)、EはEvaluation(評価)を意味します。まず分析の段階で、企業や組織がどういう問題を抱えていて、なぜ研修やeラーニングを行うのか。そして学習者は、受講前に何ができて何はできないのか、何を知っていて何は知らないのか、受講後には何ができるようになっていなければいけないかなど、研修の目的や要件を洗い出します。その分析結果を基に、研修で用いる教材やツールを設計・開発し、実際に研修を実施します。実施後の評価では研修全体や教材などの問題点をチェックし、たとえば分析が間違っていたことに気づいたら分析の段階まで戻る、といったプロセス間のフィードバックを繰り返して改善を行います。PDCA(計画→実行→検証→行動)サイクルを教育分野で徹底するイメージです。

ADDIEプロセスにおいて最も重要なのは、「研修のゴールを明確にすること」です。このゴールとは、研修を通じて学習者が何を知るか、何を理解するかということではありません。研修後に何ができるようになっているか、どのような行動をとれるようになっているか、具体的な行動で示すのがポイントです。その行動は当然、経営の求めるところ、すなわち組織の抱える問題を解決し、業績や成果に結びつくものでなければなりません。問題を正しく分析し、それに直結するゴールを設定することが、IDの要諦といっていいでしょう。

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