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【ヨミ】ワークライフインテグレーション ワーク・ライフ・インテグレーション

自らの人生観を軸に、ワーク(職業生活)とライフ(個人生活)を柔軟、かつ高い次元で統合し、双方の充実を求めること。それによって、生産性や成長拡大を実現するとともに生活の質を高め、充実感と幸福感を得るなどの相乗効果を目指す働き方をいいます。仕事と生活を対立的にとらえて、その量的バランスの調整・回復を目指す、従来の「ワーク・ライフ・バランス」の発想を一歩進めたものと考えられます。
(2010/4/5掲載)

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ワーク・ライフ・インテグレーションのケーススタディ

「仕事か生活か」ではなく「仕事も生活も」
どちらも充実させることで相乗効果を発揮

ワーク・ライフ・バランスの重要性が叫ばれて久しいですが、その背景には、過労死を招きかねない、あるいは出産・育児もままならない長時間労働や過重負担という職場の現実があります。仕事を優先すれば、家庭やプライベートが犠牲になり、私生活の充実を第一と考えるなら、キャリアはあきらめざるをえない。従来、ワークとライフはそうした“トレードオフ”の関係でとらえられてきました。相反するものだからこそ、双方の「バランスをとる」必要があるのです。仕事や会社に偏り過ぎた生活パターンを修正したり、出産・育児や介護など必要に応じて一時的に仕事と家庭の配分を変えたりするなど、働き方の“調整”が求められているのです。

しかし、2008年に経済同友会が発表した提言書『21世紀の新しい働き方―「ワーク&ライフ インテグレーション」を目指して』では、その難しさを指摘。「『バランス』論の限界は、職場復帰後に現われる。現在の『就社』的な制度や慣行では、職場に復帰しても居場所が見つからず、心ならずも退社し、結局はパートとして仕事を見つけてゆかざるを得なくなるのが大勢であり、量的なバランスを変えるだけでは完全な解にはならない」としています。

そもそも仕事とプライベート、社会生活と私生活、職場と家庭は本当に二者択一なのか、区別したり、優先順位をつけたりすべきものなのか――。キャリア論の権威で、ワークとライフの“統合”(インテグレーション)をいちはやく唱えた慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科の高橋俊介教授は、「家庭と仕事を分業してしまうから、相手への感受性が鈍化して、相互不信が募る。家庭と仕事のどちらかに優先順位をつけようとするから、ストレスが生まれる。二つを同時にやるから、得られるものもある」と説きます。そしてその具体例として、ヒアリングで得たワーキングマザーの次のような意見を挙げています。

「いざとなったら人にふらなければいけないので、自分の仕事を抱え込まずに、他の人でもいつでもできるように情報を共有化・見える化するようになった」 「夫や家族、地域の人たちの助けが絶対に必要。多様な人たちとの良好な人間関係構築の能力が鍛えられた」

仕事と生活に優先順位をつけず、前向きに、どちらも充実させることを目指すからこそ得られるこうした相乗効果が、ワーク・ライフ・インテグレーションの真髄といえそうです。

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