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【ヨミ】シンキガクソツイッカツサイヨウ 新規学卒一括採用

新規学卒一括採用とは、企業などが学校を卒業したばかりで正社員での勤務経験のない人材(新規学卒者)を、卒業時点でのみ一括して労働者として採用し雇用する制度。高度経済成長時代に普及・定着したとされる日本独特の採用慣行です。
(2010/1/18掲載)

新規学卒一括採用のケーススタディ

“ロスジェネ”を生む一発勝負に批判
政府も4月入社以外の選択肢拡大を推進

欧米では、企業の採用活動において、基本的に新卒・既卒の区別はありません。年齢を理由とした就職差別が禁じられているため、学校を卒業してから職探しに臨む人も多く、企業も通年採用が普通です。

ではなぜ、日本企業は「新卒」であることにこだわるのでしょうか。新卒一括採用は、高度成長期に年功序列とセットで広まったものといわれています。勤続年数に応じて給料や役職を上げていく年功序列制度を機能させるには、労務管理上、社員をいわゆる「プロパー」で固めて、入社年次ごとにグループ分けする必要があったのです。また新社会人をいち早く自社のカラーに染め上げ、社員としての忠誠心を養成していく上でも、新卒一括採用というシステムはきわめて好都合でした。

こうした右肩上がりの経済成長を前提とする採用方針はいまも企業に根強く、2006年に内閣府が実施したアンケート調査では、企業が新卒一括採用を続ける理由として「社員の年齢構成を維持できる」「他社の習慣に染まっていないフレッシュな人材を確保できる」「定期的に一定数の人材を確保できる」といった答えが上位を占めています。

ところがこの慣行の下では、若年者はいったん大学や高校を卒業すると、もう新卒採用市場には参加できません。一回きりの「新卒」で就職先が決まらなかった場合や不本意な就職をした場合は、中途採用枠も限られているため、再就職が非常に困難になってしまいます。また“一発勝負”の風潮は在学中の就職活動の早期化をあおり、学業の妨げにもなりかねません。08年秋の金融危機以来の雇用情勢悪化を受けて、こうした新卒一括採用の問題点がさかんに指摘されるようになってきました。同制度からこぼれ落ちて就職機会を失った若者たちが、バブル崩壊後に続く第二の“ロスト・ジェネレーション”になることが懸念されるからです。

09年9月、内閣府は「若年層に対する重点雇用対策」をとりまとめ、今後企業に対して新卒一括採用の修正を求めていく方針を打ち出しました。日本企業の採用・就職慣行には「構造的な問題」があるとして、新卒一括採用の弊害を強調。ロスト・ジェネレーションの再生産を防止し、若者が自らの希望と能力に応じた雇用機会を得られるよう、4月入社以外の選択肢拡大に向けて、企業・官庁の中途採用の拡大や通年採用制の導入、就職活動の早期化・長期化の是正などを推進するとしています。すでに一部では、卒業時期が日本と異なる海外の人材を獲得するために、春と秋の年二回採用や通年採用を取り入れる企業も増えています。

また、2019年4月18日に一部で「経団連側と大学側『通年採用』に意向することで合意」と報道されました。しかし、4月22日に「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」が中間報告書を発表。経団連会長記者会見では「そのような事実はなく、あくまで複線的で多様な採用形態に秩序をもって移行していくべきだという共通認識を確認しただけ」と訂正しました。新卒採用という一つの手段に限らず、あらゆる採用手段を検討する動きが拡大し、通年採用もその選択肢となるとみられます。

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