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【ヨミ】カイゼン カイゼン

いわゆる「改善」のこと。カイゼンと表記すると、おもに製造業の生産現場で行われている作業の見直し活動のことを指します。作業効率の向上や安全性の確保などに関して、経営陣から指示されるのではなく、現場の作業者が中心となって知恵を出し合い、ボトムアップで問題解決をはかっていく点に特徴があります。この概念は海外にも「kaizen」という名前で広く普及し、とくにトヨタ自動車のカイゼンは有名。トヨタ生産方式の強みの一つとして高く評価されています。
(2009/10/26掲載)

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カイゼンのケーススタディ

ものづくり以外でも効果に注目
固有技術の周辺にカイゼンの余地あり

上記のとおり、「カイゼン」は日本のものづくりのお家芸として認知されていますが、最近では非製造業の現場においてもその効果が注目されています。

2008年の4−6月期決算で1992年の株式公開以来、はじめて赤字に転落した米コーヒーチェーン大手のスターバックスは、トヨタ直伝の「kaizen」活動を推進した結果、翌09年4−6月期の最終損益では1億5150万ドル(約144億円)の黒字を叩き出し、大幅な業績回復に成功しました。これまで同社の店舗で見過ごされていたムダを減らすために、日本のトヨタ自動車で働いた経験を持つ米国人がカイゼンをアドバイス。10人余りのスタッフが全米の店舗を飛び回り、その知恵を現場に行きわたらせました。

商品の材料をできるだけ近い場所にまとめたり、提供するコーヒーの種類がすぐわかるように色別のラベルを貼ったり──そうした細かいカイゼンを積み重ねながらムダを省き、トヨタの工場で行っているように、ストップウォッチ片手に注文をさばく時間を短縮していきました。その結果、オレゴン州のある店舗では一つの注文を平均25秒でさばけるようになり、来客や売上げの増加につながったといいます。

ものづくりにくわしい東京大学大学院経済学研究科教授の藤本隆宏氏は、「一流の企業は“固有技術”に絶対の自信を持ち、実際その部分はすばらしいが、生産やサービスの流れの中でそこから少し外れた部分に、意外と穴があいていることが多い」といいます。そして、そうした固有技術でない部分をカイゼンするためには、業種の違いを超えてものづくりの知恵やノウハウが役に立つ、と指摘しています。

スターバックスの復活は、その典型例といえるかもしれません。同社にとっては、ブランドイメージの構築や店舗デザイン、あるいはおいしいコーヒーのつくり方こそがまさに固有技術。その完成度はきわめて高いはずですが、そこから少し離れた部分やその周辺に、小さくて大きな問題が潜んでいたといえるのではないでしょうか。

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