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【ヨミ】フクセンガタジンジセイド 複線型人事制度

複線型人事制度とは、全社共通の画一的な人事制度ではなく、同一企業内に複数のキャリアコースが並立する多元的な人事管理システムのことです。ラインとスタッフ、総合職と一般職、全国社員と地域限定社員などの区分を設定し、区分ごとに採用、昇進・昇格、賃金、教育研修などを管理します。
(2009/9/18掲載)

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複線型人事制度のケーススタディ

人材の多様化とポスト不足に対応
コース別の“格差”も明確に開示を

トップから末端に向かって単一の指揮命令系統でつながっている組織を「ライン組織」といい、ラインに連なる部下をもち、グループを束ねる部長、課長などの管理職をラインマネジャーと呼びます。かつての日本企業では、このラインマネジャーを頂点とするヒエラルキーを一つずつ上っていくというキャリアパスが、新卒社員にとってほぼ唯一の選択肢でした。近年は組織のフラット化、モジュール化が進むとともに、社員の就業意識の多様化とも相まって、ラインマネジャーへの昇進を前提とした画一的な人事制度が、必ずしも魅力的なものではなくなりつつあります。

地位や賃金よりも「専門職として好きな仕事を続けたい」「単身赴任せずに家族と一緒に暮らしたい」といった個人の希望を優先したいと考える人が増え、「努力すれば出世できる」しくみだけで全社員のモチベーションを維持することは難しくなっています。その代替として、複線型人事制度を導入する企業が増えているのです。

また、仮に社員がラインでの昇進を希望したとしても、現在の低成長下では、全員が管理職になれるわけではありません。そうなると従来の画一的な社員ヒエラルキーのままでは、組織が一握りの「勝ち組」と多数の「負け組」に分断され、チームワークやコミュニケーションの劣化につながる恐れがあるのです。複線型人事なら、管理職にはなれなくとも高度な専門技能をもつ社員はそれぞれのキャリアコースで「勝ち組」になれるため、会社としても管理しやすいというメリットがあります。

もちろん「勝ち組」の賃金は上昇しますが、このコスト増は、複線のうちの「支線」に該当するコースの平均賃金を抑えることで吸収されると考えられます。たとえば総合職に対する一般職のように、「支線」を選択する社員の賃金水準は「本線」に比べて低いのが一般的だからです。一般職・総合職の制度は、男女雇用機会均等法の施行によって男女別賃金が認められなくなったのを機に、それに代わる二重賃金制として導入する企業が急増しました。もちろんこうした賃金格差の理由が不透明では、社員のモラールダウンを招きかねません。コース別の人事制度の内容を明確に開示した上で、それに沿った適切な運用が求められます。

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