企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】テイキショウキュウセイド 定期昇給制度

年齢や勤続年数といった年功の経過にともなって、毎年、自動的に基本給を上げていく仕組み。賃金水準そのものを底上げするベース・アップ(ベア)とともに日本企業の賃金制度の根幹をなしていましたが、最近では廃止したり、見直したりする企業が増えています。
(2004/10/15掲載)

定期昇給制度のケーススタディ

日本経団連のアンケートでは
経営者の37.6%が「見直すべき」

終身雇用制が当たり前だった日本の社会では、年齢とともに給料が上がる年功賃金制度は大きな意味を持っていました。従業員にとっては安心した将来の生活設計を持つことができ、一方、企業にとっても安定した人材を確保でき、労働生産性の向上が図れるなどのメリットがあったからです。

しかし、経済成長の鈍化、国際競争の激化、雇用の流動化、高齢化の進展と雇用延長の社会的要請など、社会・経済の環境の変化にともない、その役割は大きく低下しており、逆に、成果主義との乖離や人件費の硬直化など、そのデメリットがクローズアップされるようになってきました。

日本経団連の「経営者に対する賃金決定のあり方についてのアンケート」(2002年)を見ても、定期昇給制度を見直して降給も導入すべきという回答が全体の37.6%にのぼっています。そうした中、ホンダ、日産自動車、キヤノン、日立製作所など、定期昇給制度を廃止し、仕事の評価などによって支給額が変わる成果主義的な賃金制度の導入に踏み切る企業が相次いできました。

ただし、新聞などで「定昇廃止」と報じられている企業の多くは、評価が悪い場合は昇給ゼロや降給もありうるという給料改革が主で、実際には対象となる一般社員層のほとんどに昇給があるというのが実態のようです。

今後、定期昇給制度を見直したり廃止したりする企業の動きはさらに加速すると思われますが、その一方、職種や業務によっては、年功的な賃金制度が果たしてきた機能を評価すべきと捉えている企業も少なくありません。企業にとって定期昇給制度における必要な機能をどのように残すのか、またその機能の対象をどのように絞り込むのか、十分に検討する必要があるでしょう。またどのような選択をするにせよ、従業員の協力が不可欠なのは言うまでもありません。

記事のオススメ、コメント投稿は会員登録が必要です

あわせて読みたい

トータル人事制度
人事評価、目標管理、賃金・賞与、人材育成などの制度がトータルに連動した人事制度。年齢や勤続年数にとらわれず、高い成果や業績を上げた社員を高く評価するとともに、その結果を公平かつ適正に賃金などの処遇に反映させることで、社員のモチベーションに応えることを目的としています。
職能資格制度
企業の期待する職務遂行能力をどの程度有しているかによって従業員の序列づけを行い、職能給として賃金に反映させる制度です。最近では、年功的な運用がもたらす「賃金と能力のミスマッチ」など、さまざまな問題が指摘されるようになっています。
エンプロイメンタビリティ
「エンプロイメンタビリティ」(employmentability)とは、「企業の雇用能力」を意味する用語です。雇用される側からみて魅力的な企業か、継続的に雇用されたいかといった価値に関する概念で、雇用主としての能力や優秀な人材をひきつける吸引力を表します。単に高報酬を保障できればいいということでは...

関連する記事

外国人を雇用している企業は過半数、「さらに増やす」「今後雇用する」企業も半数近くに
人事担当者に外国人の雇用状況について聞いたところ、現在雇用している企業は過半数で、「さらに増やす」「今後雇用する」企業も半数近くであることがわかった。
2019/08/20掲載人事白書 調査レポート
どこまで進んだ?「成果主義」制度の傾向と対策
日本企業の最大の特徴だった「年功序列」「終身雇用」のシステムは、平成不況の深刻化とともに崩れ去ろうとしています。それに代わり、注目されているのが「成果主義」――好業績の社員には高給で報いる、というシステムです。外資系企業では定説のシステムですが、いま日本企業の...
2004/10/15掲載人事・労務実態調査
楠田丘さん 「日本型成果主義」の新しい賃金システム
新旧のシステムのいいところをミックスして、今の企業の実情に適した賃金システムを生み出せないものか。日本の賃金システム研究の第一人者であり、「職能資格制度」の生みの親でもある楠田丘さんにうかがいました。
2005/03/28掲載キーパーソンが語る“人と組織”

関連するQ&A

08年賃上げ
お疲れ様です。 08年度の全国平均昇給額と昇給率のデーターをお持ちでしたら、教えて頂きたくお願い申し上げます。 大企業・中企業・小企業別にあれば、なお幸でございます。
昇給のピーク年齢とは
昇給のピーク年齢とは、以下のどの年齢になるかを ご教示お願い致します。 ①賃金の一番高い年齢 ②昇給額が一番高い年齢
バンド型賃金とメリット昇給
バンド型賃金とメリット昇給についての書式を教えてください。
新たに相談する
相談する(無料)

「人事のQ&A」で相談するには、『日本の人事部』会員への登録が必要です。

新規登録する(無料) 『日本の人事部』会員の方はこちら
業務に関するちょっとした疑問から重要な人事戦略まで、
お気軽にご相談ください。
各分野のプロフェッショナルが親切・丁寧にお答えします。

注目のキーワード解説をメールマガジンでお届け。

POSITIVEの導入事例はこちら 「よくわかる人事労務の法改正」ガイドブック無料ダウンロード

50音・英数字で用語を探す

注目コンテンツ

【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


新たな福利厚生施策 ~社員の満足度を高める「会員制リゾートホテル」活用法とは?

新たな福利厚生施策 ~社員の満足度を高める「会員制リゾートホテル」活用法とは?

現在、福利厚生施策の中で、社員同士や家族連れで自由かつ気楽に利用できる...


ピンチをチャンスに。<br />
新型コロナウイルス対策を機に中小企業も時代を見据えた働き方へ

ピンチをチャンスに。
新型コロナウイルス対策を機に中小企業も時代を見据えた働き方へ

働き方改革が進むなか、2020年4月から施行された中小企業の時間外労働...