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【ヨミ】ナレッジマネジメント ナレッジマネジメント

企業の知識資産を全社的に管理・共有し、新たな意思決定や行動に生かす経営手法のことで、「知識管理」「知識経営」とも訳されます。社内外の情報や社員の経験・ノウハウなどを集積、共有化し、新しい知識の創造を促します。
(2008/3/17掲載)

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ナレッジマネジメントのケーススタディ

知的財産の集積・共有・活用で新たな知識を創造
個人の持つ「暗黙知」をいかに「形式知」化するかがポイント

1980年代半ばから欧米を中心に、組織には「知識」が競争材や資産として重要だという認識が広まり、ナレッジマネジメントの研究が注目されるようになりました。90年代半ばまでは、知識を蓄積・共有し、業務効率化を図ることだけに主眼が置かれていました。しかし、経営学者ピーター・ドラッカーが自身の著書『ポスト資本主義社会』(93年)で、「今や世界は知識社会に入りつつある。知識だけが新たな価値創造のための唯一意味のある資源だ」と指摘。また、一橋大学大学院の野中郁次郎名誉教授と竹内弘高教授が95年に発表した共作論文『知識創造企業』で、「個人の知識を組織的に共有し、より高次の知識を生み出す“新たな知識の創造”が必要だ」と提唱したことを契機に、今日のナレッジマネジメントを追求する動きが活発になりました。

理想的なナレッジマネジメントを実現するためのプロセスとして両氏は、「SECIモデル」と呼ばれる4段階のプロセスを提示しています。「SECIモデル」では、知識には暗黙知(明確な言葉や数字では表現しにくい、経験や勘に基づく技能・ノウハウ)と形式知(文章や図表、数字などで説明・表現できる知識。一般的な例としては、作業手順やマニュアル書)の2つがあり、それを個人・集団・組織間で、相互に絶え間なく変換・実践することで新たな知識が創造され、「知識創造スパイラル」が形成されると考えられています。

以下がSECIモデルの概念です。

■ 共同化(Socialization)
経験を共有することにより、言葉ではなく体験で暗黙知を獲得・伝達するプロセス(=体で覚える)。

■ 表出化(Externalization)
個人や組織が体得した暗黙知を共有・統合できるように言語などの形式知に変換し明確化するプロセス。

■ 連結化(Combination)
明確化した形式知を組み合わせて新たな形式知を創造するプロセス。

■ 内面化(Internalization)
得られた形式知に基づいて、個人が行動・実践を行い、新たな知識を体得するプロセス。これらが暗黙知として他者に移転して、知識創造スパイラルが形成されます。

ナレッジマネジメントを浸透させることで、個人の能力の育成や、組織全体の生産性向上、迅速な意思決定、業務改善が実現できると期待されています。ナレッジマネジメントを取り入れるには、運用しやすい仕組みづくりや環境(実践共同体)・システムの整備、社員による積極的な参加などが求められます。

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